ハーモニー ~ 心をつなぐ歌 ~
公式HP:http://www.harmony-movie.com/
私の行きつけとなった“小さな町の映画館”
こちらで前回観た『義兄弟』の次に気になった映画。
それが、この映画
『ハーモニー ~ 心をつなぐ歌 ~』です。
大手の映画館でなら、韓国の映画が連続して上映されるのよくあることでしょうが、
うちの町(市)の映画館では珍しい!!!
そう思い、スタッフさんに聞いてみました
ふむ・・・
韓国映画フェアとのこと
いいですね
この映画館。私の趣味に合う
嬉しいですねぇ
で・・・先に言いますと
上記ポスターにも書かれていますが、
この映画・・・・本当に号泣します。
本当に号泣です。
息をするのが苦しいくらい。
この映画も相方と観たのですが、相方もホロリと来たようです
珍しい・・・
それでは・・・
この作品は、実話を元に作られたお話です。
本当にあった話。
これを頭の片隅に置いて私は映画を観ました。
映画の舞台は、韓国・チョンジュ女子刑務所。
主人公であるホン・ジョンヘの出産シーンから物語が始まります。
獄中で出産した場合、その子供と共に過ごせるのは18ヶ月。そういう決まりがあるようです。
出産(すごい暴言を吐きまくるジョンへ。出産時の痛みは人を変えると聞きます)により、
ジョンへはミヌ(※①!!?)という息子と共に獄中での生活をしていきます。
しかし、18ヶ月しか一緒に過ごすことが出来ない上に、ジョンへは身寄りがないため、ミヌは養子を組んで貰うしかない。それが、可愛い息子にとって最善の選択だと、ジョンへは養子縁組をしてもらう申請をする。
ジョンへと同じ房にいる女性たちは、実に様々。
元クラブの歌手であるファジャ。
ファジャは、生活の為に詐欺を働き刑務所に。
裏切りを働いたコーチに、少しばかり痛い目を合わせてやろうとヘッドロックをかけ、力加減を誤ってコーチを死亡させてしまった、元プロレスラーのジュンミョン。
浮気をしていた夫と愛人を殺し、死刑宣告をうけている、元音楽大学教授であったムノク。
この房の女性にとって、ミヌは大切な子ども。
そして、もう一人。刑務官でありながら、ジョンへ達にとって友人のような関係をもっているコン刑務官も同じ。
そんなある日、刑務所に合唱団が訪れ、その歌声に感動したジョンへは自分たちも合唱団を作りたい!!!と言い、所長に直談判。ついでに、成功したらご褒美()を♪と言い、ミヌとの外泊を取り付けます。
合唱団の責任者となったジョンへですが、実は彼女。破壊的な音痴。
ジョンへが歌うと、ミヌは必ず泣きだすほど。おかげで、彼女は子守唄すら歌えず・・・
困ったジョンへは、ムノクへすがりつきます。
最初は断ったムノクですが、ミヌとの外泊がかかっていると知り、受け入れます。
合唱団の公募を見て集まった、在監者の女性たち。
これまた・・・すごい個性が。
意見が合わず、衝突してしまいますが、ムノクのキツイお叱りが・・・
少しでもお互いを理解しようと起こした行動は、円を描いて座り、自分の犯した罪や、今までの人生を話すというもの。
この取り組みは功をそうし、ギスギスした雰囲気は和らぎを持ちます。
ですが、この雰囲気と同じようにならないのは、歌の調和。
不協和音そのものの状態で、ムノクは悩みます。
それが変わったのはユミの加入でした。
ユミは入所当時、誰も寄せ付けずにいました。
誰にも心を開かないユミ。
そんな彼女の歌声を、ジョンへがたまたま聴いたのがキッカケとなり、合唱団に加入(強引に)させたのですが・・・(色々ありました。本当に)
ユミの歌声を聴き、ジョンへは自分もユミのように歌えるだろうか・・・とユミに問いかけ、ユミはジョンへに
歌を教えます。
次第に上手になっていくジョンへ。
どれくらい上手くなったのか試したのは・・・
息子・ミヌがジョンへの歌声を聴いて泣くか、泣かないか!!!
(これは、まさかソレが判定!!!?と思いましたが・・・確かに、ジョンへが歌うと、大泣きするミヌでしたから。)
結果は大成功
そして、半年後・・・
運命の日。
外部から偉い人が来たようで、その人の前で(そのほか多くの在監者)歌うのですが
これまた、大成功
みんな、明るい曲でノリノリ
これで、御褒美は貰える!!そう思っていました。
ですが。。。
確かに、ジョンへとミヌは外泊(というか外出)出来たのですが、それはミヌの養子縁組が決定したから。
ジョンへはもちろんの事、外の在監者もその事実に悲しみますが、ジョンへはミヌのためだ。
そう言い、ミヌを手放しました。
それからの、ジョンへの苦しみ、悲しみは・・・
歳月は流れます。
でも、どんなに歳月は流れても、ジョンへのミヌへの想いは変わらないのです。
ある年のクリスマス。
合唱団は、その功績(話題も含め)により、合唱コンクールの特別招待を受けます。
合唱の後、家族や会いたい人と話せる時間が貰える。
そう聞いたメンバー達。
喜ぶメンバーをよそに、会えない・・・そう想うメンバーも居ます。
ムノク、ユミ、そしてジョンへ。
そんな彼女達のために動く人がいました。
コン刑務官。
ムノクの家族には追い出されながらも、そっとドアの隙間にチケットを。
ユミのお母さんには、寂しそうに歩く後姿を追いかけチケットを渡し、『私が行っていいのだろうか。』という、彼女に、行く勇気を与え。
そして、ミヌと養子縁組をした家族の下には。。。。
当日、
会場となるホールの控え室で、財布が無くなるという事件が起こります。
それも、ジョンへたち合唱団のメンバーが盗んだという、有りもしない濡れ衣を着せられ、身体チェックや合唱の中止をさせられるのですが・・・
ただ、在監者だからという理由で、証拠もない。
その事実に、激怒したのは刑務所の所長でした。
自分が責任を取る!!!そう言います。(なんて凄い所長さん。この人は最初から在監者のことを考えていた。)
ですが、合唱団のメンバーたちは、ひどい仕打ちを受けたことにショックを受け、中には『頼まれても出るものか!!!』という人も。
その状態を動かしたのも、所長でした。
所長の一言で、動き始めたメンバー。
ドキドキの舞台が始まる。
そこに待っていたのは奇跡のような出来事。
そして、その舞台を降りると、それぞれの大切な人たちとの時間。
ユミは母を追いかけ、ムノクは息子と会話して(見えないところで娘もいたのですが、姿を現さないようにしてました。)ジュンミョンは、好きな人(文通相手)に会って、ファジャは大切な家族と再会。
そしてジョンヘは、養子となり名前を変えて成長したミノと養母と会っていた。
幸せで、切ない。
そんなクリスマス。
(あぁ、良かった。
幸せな話だった。
そう思っていた私に、最大級のショックが・・・)
少し前から、世論の変化により、法に対する処置(?)が厳しくなっていました。
所長も何かと気にしていたのですが・・・
ある日、コン刑務官が遅れて出勤してくると、室内がとても重い空気。
なんと、ムノクの刑の執行が決まったとのこと。
突然のことで驚くのは当然で、コン刑務官は当然ムノクの刑執行は反対です。
それでも、時間は過ぎていく。
ムノクの刑の執行。
それは決定事項。
刑執行の前夜。
それまで頑なに会おうとしなかった娘と、コンクールであった(実は娘もいたのですが、来ていたとはムノクは知りませんので)息子と一夜を過ごすことに。
ムノクは、刑の執行を知らないので、『死ぬまで会えないと思っていたのに』と喜びます。
その夜、川の字で眠っていた親子ですが、娘はバスルーム(トイレ?)で泣きます。
そして、夜が明け・・・
何も知らないムノクやジョンヘたちの元に、赤い目をしたコン刑務官と上司の女性。
『外へ』
という言葉に、二日続けて面会がある事はない。と、事の次第を知ったジョンヘ達。
『先生、面会は断りましょう?』とすがるジョンヘに、ムノクは・・・
でも、その手は震えていました。
見るのがつらいほどに。
房から出たムノクは、二人の刑務官と共に廊下を歩きます。
そこに聞こえてきたのは
合唱で歌った歌。
それぞれ別の房であるにも関わらず、ムノクに起こることが解り、
合唱団のメンバーたちが歌っている。
その中をムノクは歩いていきます。
これで・・・
ハーモニー ~ 心をつなぐ歌 ~
は終了しました。
感想です。
すごく・・・考えました。
どうして、こんな終わり方をしなければならなかったんだろう。
と。
確かに、ムノクは二人の人を殺めた。
それは明確な殺意を含んでいて・・・
そして終身刑ではなく、死刑という判決が下っている。
日本でも死刑の執行はある。
だから、死刑判決を受けている人の刑の執行があるのは確かで、、、、
でも、happyendが良かったな。
そう考えるのは身勝手なのかもしれません。
世の中、そんなに甘くないことは知っています。
だから、あり得る事なのもあり、よけいに涙が止まらなかった。
そう思います。
考えてみれば、この映画で本当に幸せになった人間はいないのかもしれません。
ジョンヘは愛息子と別れ、ユミは声楽の道を断ち・・・
本当に・・・
でも、ムノクの刑執行を知るまでは、とても幸せに思えたんです。
それまでは、別の事を考えてました。
財布を盗んだと濡れ衣を着せられたとき。
人は、刑務所に入っている。入っていた。
そう聞いただけで、悪いことをしている可能性がある。(現段階で)
と思ってしまう。
そして、誰も信じない。
映画を観ていて、自分はどうなんだろう。と考えました。
もしかしたら、劇中の中の人間たちと同じなのではないだろうか・・・・
そう思い・・・
落ち込みました
本当にいろいろ考える映画で
本当に涙が止まらない映画で・・・
是非観ていただきたい映画でした。
P.S.
(※①)ですが、ミヌと聞いたとき、私の好きなK-POPグループのZE:Aのメンバーを思い出したので