ブルネイでは同性愛行為に対する処罰が石打ちによる死刑になったそうです。
未婚の娘が男性と性行為を行なったら父親に拳銃で殺される国も有るようです。
国によって色々な状況が有るのでさすがにこれらと比べる事はナンセンスかもしれませんが、LGBTに対して寛容で進んでいるイメージのアメリカでの実話に基づく作品です。
1979年という設定なので35年ほど前という事になります。
育児放棄されたダウン症の子供マルコをわが子のように愛情いっぱいに育てていたゲイカップルのルディとポールが中心です。
ゲイカップルというだけでマルコを奪われてしまいますが、何とか取戻そうと裁判で奮闘する姿が描かれています。
無知による偏見、根拠の無い差別といった実体の無いものとの戦いですが、現実的には裁判で勝たなければどうしようもありません。
形式的な条件を満たしている事は言うまでもなく
2人と暮らしてからのマルコは学力の向上が著しい
対人能力も向上した
2人は素晴らしい親としての役割を果たしている
マルコも一緒に暮らす事を望んでいる
マルコにとってもベストな環境と思われる
ルディとポールは親役として全く問題無いどころか、むしろ理想的な保護者であるという証言を得る事が出来ました。
それなのに答えはノー!!
なぜなら2人はゲイだから、というそれだけの理由でした。
今も理不尽な事は多く存在しますが、観ていて本当にやるせない気持ちになりました。
どうしてマルコの幸せを考えてあげれないんでしょう。
助けになるはずの法律も結局運用するのは感情で動く動物である人間であるという事をあらためて見せ付けられたような気がしました。
その理不尽さに悔しさを感じながら思わず涙が溢れてしまいました。
現在の日本で言えば、例えば生活保護一つ取ってもまともに運用されていない事は周知の事実かと思いますが、本当に必要なところへ必要な支援がなされる世の中になって欲しいと思います。
感情をストレートに表現するゲイのルディを演じたアラン・カミングですが、ブロードウェイでも認められていて、トニー賞を受賞した実力派です。
また、実生活ではバイセクシャルであるとカミングアウトしていて同性婚をされているそうなので、まさに適役としか言いようが無いほどのキャスティングだと思います。
このアラン・カミングの歌もこの映画が素晴らしい理由の一つです。
ラストで彼が歌うボブ・ディランの名曲「I Shall Be Released」は本当に素晴らしいの一言に尽きます。
これ以外の曲も歌詞がうまくストーリーにリンクしていたんですが、これは別格の圧巻でした!
正直ヒゲが青くて綺麗とは言いにくいんですが、世の中で一番美しいものを持っている人のように見えました。
ルディのように皆がやさしさにあふれたなら、と思わずにいられませんでした。
ところでこれを聴くと当然サントラが欲しくなるわけですが、残念ながら日本ではリリースされていないようです。
まさか「ゲイを描いた映画だから」なんてことはないはずだと思うんですが(;^_^A
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