「お水取り」の楽しみ方 | 奈良ブログ

「お水取り」の楽しみ方

「東大寺のお水取りのお松明を一度ぜひ見てみたい、火の迫力を見たい」と、最近よく聞くようになりました。

けれどもお水取りの良さは、お松明だけではありません。いえ、むしろお松明にはありません。なぜならば、お松明は言ってみればただの明り取りだから。

というと、随分意地悪な書き方ですが、最近東大寺のお水取り(正式には修二会(しゅにえ))で行われている行事の実際を知る機会が増え、お松明よりも行そのものの面白さに目覚めてしまいました。

行の全体を一番コンパクトに知るには、この本「誰も知らない東大寺」(筒井 寛秀著)がおすすめです。お水取りの期間中、練行衆(その年に参加する僧侶)が着る服は紙でできていること。それを作るのは、その年に新しく参加する練行衆であること。食事の作法が厳しく定められていること、などなど、一般的には知ることができない行の内容が数多く紹介されています。「お水取り」が大事な仏教行事なのだということが大変よく分かります。

そうして興味がわいてきたら、今度は奈良国立博物館がおすすめ。3月15日(日)まで「お水取り」の特別陳列が開催されています。「誰も知らない東大寺」を読んでから行くと、本の中に登場するものの実物を見ることができますので、興味は一層深まることと思います。

「お水取り」は知れば知るほど面白い。ニュースなどで話題になるよりずっと早く20日からは前行が始まります。私自身も最近やっと知り始めたことばかりで気持ちが盛り上がっているのですが、一回では魅力を書ききれませんので、続きはまた。