続きです。





シーン9:太子の部屋
恋に疲れ、会社も休みがちな太子。
福田の横領のニュースを一人でボーっと見ている。
そこへやって来るガモン。
太子の今の恋人はガモンなのだ。
ガモン「風邪引いたんだって?すぐに連絡しなきゃダメじゃないかー☆」
そこからキス。
そして、愛を確かめ合う為、なぜかミュージカルを演じることに。
楽しく演じ合う二人。
ジェントルマンなガモンは太子に優しく手解きする。
もちろんキスしながら。
ガモン「太子…君は僕だけのものだよ!」
太子「うん、そうよ。…ねぇ、あなたも私だけのものよね?」
恐る恐る聞いてみる太子。
ガモン「当たり前じゃないか!僕は君だけのものだよ!」
そう言って、太子を抱きしめキスをする。
前の二人とは違う、と一安心する太子。「この人なら…」と思った瞬間、
ガモン「なーんてね!そんなことあるわけないじゃないかー☆」
自分は世界的なミュージカルスターなんだから皆のものだ、と言い放つガモン。
太子だけのものになんてなれるわけない、と当たり前のように語るガモンに、絶望し出す太子。
結局、冷めてしまう。
そして、前の二人と同じようにガモンも部屋から出ていった…。


〈感想〉
もう一番笑ったのはここでした。
あーこの公演でジャンポケの株すごい上がった(笑)
斉藤さんのミュージカル口調が面白すぎる。
途中、平田さんに「大丈夫?」と言われる程の危なっかしいミュージカルの手解き(笑)
顔も歌も身振り手振りもおまけにキスも、全て面白かった斉藤さん。
あの人にハマるとずっと笑ってられる。
で、元俳優だけあって、無駄にしっかりした舞台の使い方がまた面白い(笑)



シーン10:しら子と会話
恋に翻弄され、本当に疲れてしまった太子。
会社が倒産し、福田が捕まってしまっても福田を支え続けているしら子と向かい合う。
しら子は自分が福田に遊ばれていることに気付いていた。
あの電話の相手が太子だということも気付いていた。
そこまでわかっていて、なぜ福田を愛し続けるのか、自分だけのものにしたいとは思わないのか、問う太子。
しら子「それは…余裕のある女の人が言うことです」
太子「そんなことないわ!あなたの方が若くて綺麗だわ!それなのに!」
自分だけのものにしたいから付き合ってるんじゃない、ただそばにいたいだけ、と言い切るしら子。
福田の面会にも毎日行く。
横領で捕まり、周りの人全員から見放され、誰も面会になんて来てくれない。
でもしら子は毎日優しく接してくれる。
福田「俺…やっとわかったよ。俺にはお前が必要なんだ。今までごめん。ありがとう…しら子」
しら子の一途な想いが通じ、お互いをただ一人の人だと確信し合う福田としら子。
二人の様子を見て、愛と独占欲に翻弄される自分に嫌気がさす太子。
愛ってなんなのか。
太子「今度は…今度こそは…!」


〈感想〉
平田さん演じる太子の恋が話の主軸ですが、私は結構このカップルの話が好きでした。
あ、「このカップル」って一言で言うとチーモンのことですよ(笑)
菊地さんの演じる男は分かりやすく最低でリアル。上手い、あの人。
白井さん演じる二股をかけられているのをわかっていながら、それでも側にいてあげたいと思う女は、バカだなぁと思うけどこれまたリアル。
白井さんのあの話し方で、
しら子「それでも…いいんです。好きだから。わたし、あの人のこと好きだから。側にいてあげたいんです…」
すごい重たかったです。
ダメ男を放っておけない、二股かけられてもまだすがりたいダメ女。
でも最終的には愛し抜いたもん勝ち。
あんなポップなコンビにこんな役やらせる家城さんってすごいなぁ。



シーン11:太子の部屋
太子の隣に座って映画を見てるのは小説家のコウ。
映画に集中して、一言も喋らず、全くキスしようとしてこないコウに焦れて、「どうしてキスしないのぉ!」と言うと、
コウ「なぜって、作者に失礼だろう?僕が目を離した隙に作者の言いたかったことや伝えたかったことが通り過ぎてしまかもしれない」
太子「そ、そうよね…本当に小説家ってすごい仕事!コウさんって本当にすごい人!」
コウ「すごくなんかないさ(笑)」
太子「すごいわ!…私なんて平凡でつまらないでしょう?」
コウ「何を言っているの?僕は君にこんなに夢中なのに…わかってないんだね」
そう言いながら太子の顔を優しく包みこみ、甘く激しいキス。
その後も自分の小説家という仕事や人間の内面を冷静に分析し、人間の感覚には未知の領域があると語るコウ。
よくわからないと言う太子に、視覚を失ったらどうなるか、遊び半分で目隠しをする。
最初はその感覚を楽しんでいた太子も、周りの状況が全く把握できないことにだんだん恐怖を感じ始める。
失明の感覚を分析して語っていたコウの口調も、それとともに早口で暗く冷たくなっていく…。
太子「…コウさん、私、なんか怖い…もうはずすね!」
コウ「はずさないで!」
いきなり声を荒げたコウに硬直する太子。
怯える太子のそばにゆっくり寄っていき、顔を舐めたり耳や頬や髪にキスして、反応を楽しむコウ。
コウ「ほら、もう今全身で僕を感じているね?触覚や聴覚だけじゃない。君の中に生まれた新しい感覚で僕を感じているんだ。もっと感覚を研ぎ澄ませて…もっと僕を感じて…」
そう言うと、激しく唇を奪うコウ。
やっと目隠しをはずして、優しく微笑み、キスするコウを見て、
太子「この人ならずっと好きでいられる…!」
今度こそ最後の恋だと信じた。


〈感想〉
あの長台詞を一切かまず、流暢な標準語で話すのはさすが。役作りも完璧で。
なんか野島伸司のドラマに出てきそうなセリフ回し。

似合ってました、すごい。和服もね。ヒゲはどうかな(笑)
目隠ししてから冷たい声で淡々と語る姿からは芸術家の狂気的な部分が垣間見れて、「ああ、この人きっと異常なんだな」と思わせられました。

ワンシーンのみでそんなインパクト与えられるなんて、本当に演技上手なんですね。
…さ、お芝居についてはここまでにして、つっこまずにはいられないキスの話に。
前の三人、菊地さん、関根さん、斉藤さんのはまだ「キス」というより「チュー」でした。

ただ、この安達さんのは紛れもなく「キス」、いや、というより、「口づけ」(笑)
濃厚なキス、とはあのこと。吸うわ舐めるわ食らいつくわ。やらしすぎる。そして一回一回が長い(笑)

前の三人がフジ系火曜9時のドラマだとしたら安達さんはTBS系金曜10時のドラマのキス(←伝わります?この例え笑)
目隠ししてからの囁きとキスなんていやらしすぎてR指定かかるんじゃないかと。

途中、お笑いライブでは響いちゃいけないような音(ご想像におまかせします)も響いてますますエロい雰囲気に。

良く言えば「大人なキス」、悪く言えば「相当な場数踏んでなきゃできないキス」(笑)



シーン12:太子の部屋
一人でテレビを見ている太子。
映ったタレントに「あっ、この人カッコいいv」と反応すると、すぐコウから電話がかかってくる。
あっさりと別れを告げられ、冷たく電話を切られる太子。
一瞬、他の男に目を奪われ、コウを忘れてしまったことで、また恋を失う。


〈感想〉
あんなに濃厚なキスするだけして、別れ方一番冷たいな!
でもまぁ…安達さんっぽいかもね(笑)


シーン13:kisskisskiss
恋に疲れて立ち尽くす太子。
またシャングリラがかかる。
音楽に合わせて太子を通り過ぎて行った福田以外の男達が登場。
太田さんと武山さんも男役で。
なぜか太田さんはパンイチ。
武山さんはラッパー。
二人のダンスあり。
ちなみに安達さんは招き猫を抱っこしていました。
シャングリラの「キス、キス、キス」の歌詞に合わせて、安達さん、斉藤さん、スター、武山さん、太田さんが何度も平田さんにキス。
曲の終盤に上手下手からそれぞれ福田としら子が出てきて、熱く抱擁。
福田の出所をしら子が迎えにきたようです。
抱き合いながら、キス←これは真似。


〈感想〉
武山さんのキャラはわかる。
太田さんはなぜパンイチなのか不明(笑)
ラストのしら子と福田のキスはコンビによっては本当にしちゃうようなとこもあるんでしょうね。
でも真似とはいえ、目をつぶっちゃう白井さんかわいい(笑)



ラストシーン:道
雨の中、招き猫を抱えて立ち尽くす太子。
もう何もかも嫌になり、招き猫を割ろうとする。
すると、そこに現れる小林。
心配する小林に、やり場のない怒りをぶつける太子。
それを黙って受け止め、突然、
小林「俺、太子ちゃんのこと好きだよ」
太子「…は?なに言ってんのよ…私、あんたのことなんて好きになってないわよ?」
小林「うん、わかってるよ。でも、ずっと好きだったんだ」
小林の偽りのない気持ちに触れ、「ああ…こういうことなのかも」と思う太子。
少し照れて下を向きながら真摯に気持ちを伝える、この人の気持ちにどうして気付かなかったんだろう。
満たされた暖かい気持ちになる太子。
魔法なんて使ってないのに。
小林「あの…なんか、抱き…しめたいんだけど」
太子「…うん」
小林の胸に飛び込む太子。
太子「痛っ」
また小林の静電気。
招き猫を落として割ってしまう。
小林「わっ、ごめん!」
太子「うぅん…いいの。もう必要ないの…」


〈感想〉
家城さんの静電気の使い方が憎い!
ベタっちゃベタだけど王道で素敵。
しかし、せっかくいいシーンで平田さんも上手いんだから岡部さんの抱きしめ方だけどうにかなりませんか?(笑)








本当に観に行って良かったです。
芸人さんのキスに対するミーハーな気持ちだけじゃなく、ストーリーとしても好きです。
ファンタジーと現実の残酷なまでの差を見せつけられました。
おそらく、家城さんは役ごとにあてがきなさったんだと思いますが、全員が全員、ハマり役でした。
安達さんの小説家なんて、あの人のなに考えてるのか全くわからない雰囲気がピッタリでした。
斉藤さんもスターも。
菊地さんが一番現実にリアルにいそうな男かな。

あ、終演後のトークはほぼ神保町ブログに書かれてあるので、省略します。
出演者も騒然だった安達さんのキス、どこかでお披露目できるといいですね(笑)
本当に再演するんでしょうか。
再演はないにしても続編は来年あたりあるかなー。
だって2010を2011に変えればいいだけだし(笑)
その時はメンバーは固定でもいいですけど、また違う人で観てみたい気がする。
…アームとかどうです?ラフコンとか。
重さんなんて顔に似合わず甘ーいキスしそう(笑)

でもまぁ、シチサンで白井さんも言っていた通り、人の癖って出るもんですね!
菊地さんが一番わかりやすかった気がする。
すいません、一番嫌がる見方して(笑)
再演することになったら今度はしら子ちゃんともしちゃえばいいのに。

しかし、まさかお笑いライブのレポで「激しく唇を奪う」なんて書く日が来るとは思いませんでした(笑)
これから先もどんなライブと出会うかわかりませんね。


・・・ここだけの話、菊地さんの役名に慣れるまで少し時間がかかりました。

だってどうしたってよく喋るキツネが浮かぶんだもん(笑)