新学期(特に新学年)が始まる数日前から、息子は荒れていた。
「あ〜あ、学校始まっちゃうよ〜」
と何度も言っていた。
友達がみんな、また学校へ行ってしまうことが淋しいらしい。
それは、春休みみたいにお友達と遊べなくなってしまうという、
それだけのことではないのだと思う。
大きな船にみんなが乗り込んでいく。
そんな感覚なのではないかな…と想像した。
あの船に乗れば、自分もみんなと一緒にいられる。
ずっと遠くの海にいた船は、節目にこうして岸にやって来る。
でも、船に乗ることを選ばなかった息子は、またいつものようにお友達たちが船に乗り海へ出ていくのを見送ることになる。
自分には、こっちの世界が合っていると思ってたって、
岸で一人見送る側の心はきっと、孤独なのだろう。
そんな孤独を感じながらも、
人と違う道を行く。
そうしかできないのかもしれないけど、
そうやって岸に残っている息子を私は誇りに思っている。
息子が感じている孤独も、
一人ぼっちの時間も、
何一つ無駄なことなんてないと思うから。