シンデレラ ~貴女に逢いたくて~
『じい、じい!!』
「王子どうなさいました?」
『昨日やった、ダンパでさ、マブイ・ナオンがいたんだよね!!むしろゲロマブの!!』
「王子、お言葉遣いが悪うございます。さくじつのダンスパーチーで、素敵な女性がおられたのですね。」
『そうそう!そうなんだよ!!んでさ、そのゲロマブのナオンがさー、またおくゆかしくてさー!』
「そのこころは?」
『12時になったら門限だーっつって、帰っちゃうんだよね!夜はこれからだっつーのにさ。』
「それは残念でございましたね。」
『いやいや、それがそうでもなくてー、帰り際にチラッと見たんだけど、なんか落としたような気がしたんだよね!』
「なるほど!王子、その落とした物から推理をし、その女性を突き止めようと!」
『そうなんだよー!じい、話が早いねー!』
「じいや、そんなのワクワクしちゃう!」
『め・・珍しく、じいもノリノリじゃん・・・』
「それでは早速、昨日の落し物を係の者から預かってきますじゃ!」
『お、おう』
-----------------------
「お待たせいたしましたじゃ。」
「昨日の落し物を順に述べさせて頂きます。」
『おう。』
「カーデガンが2着・ストール4本・手袋32に靴が43足ウィッグが3束、化粧ポーチが6つです。」
『ポーチ忘れるとか、地味に今日困ってんだろうな・・w』
『っつーか、じい!こんなにあるのかよー・・・なんかめんどくさくなってきたな・・・』
「王子!諦めたらそこで試合終了でございます!」
『なんの試合だよ・・・。つーか、ないない!こん中にはねーよ!』
「王子・・・ギャルに逢えなくても宜しいのですか?」
『わかったよ!じゃーさ、これは後から考えるとして、なんか珍しい落し物から選別していこうぜ!』
「それは名案でございます。」
『じゃー、珍しい落し物発表していって。』
「えー、定期券。」
『タクで帰ったんだろうなー。って、定期に書いてある名前、後藤ゴンザレスだからぜってーちげーよ!』
「イニシャルG・Gでございますな。」
『次! 』
「軍手。」
『よく、道に落ちてるけど!』
「ケータイ。」
『これも困ってんぜ・・・、てか楽々フォンだからぜってーちげーよっ!むしろコレが彼女のだったらヤダよ!』
「浣腸。」
『よく、夏の終わりの海岸で落ちてるけど!』
「ホコリ」
『掃除させとけよ!』
「スリーパーで落とされた格闘家。」
『蘇生させてやれよ!』
「ケータイ。」
『これだけ沢山ストラップ付けてて、落としたら気づけよ!』
「エロ本」
『ゴホンっ!これは預かっておく。』
「五百円玉と思ったら、何かのフタ」
『いや、これ五百円でしょ!フタか・・。』
「キレイな石」
『キレイだなー』
「コンドーム」
『昨日のダンパ何かあるって、期待してたんだろうなー』
「ジェット風船」
『使用済みのコンドームじゃねーかよ!!!』
「注射針」
『色んな意味であぶねーよ!』
『はあはあ・・』
「まだ、これで半分でございますじゃ。」
『ふう・・・もういいよ・・・。エロ本手に入ったからもういいよ・・』
「王子!諦めたら!!」
『解った、解った!!』
『明日!明日なっ!!』
「王子・・・わたくしめの名探偵ぶりはここから・・・。」
-------------------
『なんかエロ本見てスッキリしたら、ナオンとかどうでもよくなったなっ!ギャハ』
王子の結婚運が落ちたのは言うまでもない。
BAD END