岩落とし
【心の操縦術】岩落とし
こんにちは!!心の操縦術案内人の本田です。
ある時、歩いていると変わった様子が目に入ってきた。
自分の身の丈の倍もあろうかという岩を一心に押している人がいたからだ。
暫く見ていても、その人は岩を押すのをやめようとはしない。
不思議な気持ちを抑えきれず、聞いてみた。
「何をしてるんだい?」
「岩を押しているのさ」
「何故そんな事をしているの?」
「この岩を落としたいんだ」
さっぱりわからなかった。
岩を落とすことに、どんな意味があるんだろう?
岩の下に宝物が埋まっているとも思えない。
そうこうしていると、また誰かがやってきた。
その人もその変わった様子を暫くジッと見ていたが、たまらず2人に聞いた。
「何をしてるんだい?」
「岩を押しているのさ」
「岩を押すのを手伝っているのさ」
「何故そんな事をしているの?」
「この岩を落としたいんだ」
「この人がこの岩を落とすところを見たいんだ」
さっぱりわからなかった。
岩を落とすことに、どんな意味があるんだろう?
岩の下に宝物が埋まっているとも思えない。
暫くたって誰かがやってきた。
その異様な光景に釘付けになった。
そしてたずねた。
「みんな、いったい何をしてるんだい?」
みんなは口々に言った。
「岩を押しているのさ」
「何故そんな事をしているの?」
「この岩を落としたいんだ」
さっぱりわからなかった。
岩を落とすことに、どんな意味があるんだろう?
岩の下に宝物が埋まっているとも思えない。
そう思った瞬間、岩は穴に落ちた。
そして100人ほどいた人たちが口々に叫んだ。
「ヤッター!!落ちたぞー!!」
”今の時代は便利になった”という言葉を初めて聞いてから、どのくらい経っただろう。
テレビが出来て自室にいながら世界の様子を見ることが出来るようになった。
リモコンが出来て、動かなくてもいろいろな世界のチャンネルを変えることが出来るようになった。
洗濯機ですら、衣類によって洗い分け、乾燥まで勝手にやってくれる。
インターネットで世界中の人と話すことも簡単に出来るようになった。
でも夢は違う。
リモコンで夢はつかめない。
自分からそれをつかみに行かないと。
夢は、自分にとって価値があればいい。
人には理解できなくても、自分が情熱を持っていればいい。
夢に向かう想いが本当なら、協力してくれる人は必ず集まる。
だから1人でも岩を押し始める。
それではまた
心の操縦術案内人☆本田直樹