ミラー! (687)定例転属内々示 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (687)定例転属内々示

 2月に入り、そろそろ3月の定例異動の話がちらほらと入ってきている。僕は佐官だから異動のときは防衛省HPやある新聞に公示されたりする。



「遠藤君ちょっと。」



と、衛生隊長室へ呼び出される。ここへ来て1年なのに転属内示だろうか。そして今の職へ就いて半年なのに…。



「遠藤君、転属内示が出そうなんだ。心の準備をしたほうがいい。」



なんか言葉を詰まらせている。もしかして希望どおりじゃない?でも早めにいってくれないと民間病院の件があるし…。もちろん隊長は転属内示の内容をご存じのはず。



「隊長はご存知ですよね。大体のことは…。」



隊長はハア~っとため息をついてこの僕へ伝える。



「引越し準備はしなくていいよ。所属駐屯地が変わるだけだから。」



ということは、自衛隊病院か?それとも前いた師団司令部がある?



「自衛隊病院ですか?それとも後方支援連隊衛生隊ですか?」



隊長は首を横へ振る。どちらも違うらしい。え?じゃあ何?



「上はなに考えているんだか。医官の君が全然違う仕事をするなんてね。君にとっては栄転じゃないと思うよ。師団司令部広報室長の内示だ。本来なら方面隊広報室長だったらしいいが、夏の転属で変わったところだからね。ま、そういうことだ。民間派遣はあるのかないのかまだはっきりしていない。」



ほんと隊長の言う通り、ますます医官じゃなくなっている。民間派遣もなくなるのかな?なんで広報室長?3佐が付く職ではあるけれど、医官がなるって聞いたことないぞ。はあ…。



 さっさと仕事を済ませて、帰宅。制服をきちんとかけてベッドへ横になる。なんかショックで食事がのどを通らない。まだ正式な発表じゃないから…と思いたいけれどほぼ間違いないだろう。また関東へ戻れないのか?ま、今までよりは休みが取れるかもしれないけれど、なんか嫌だ。でも命令だしな…。従うか、それとも退職?転属まであと1ヶ月ちょっと…。部下たちには内緒にしておかないとね。