ミラー! (649) 帰京
十分に休養をとり、東京へ戻ってきた。子供たちはとてもリフレッシュした様子で、にこにこしている。あと、この僕も1週間東京にいるし…。
1週間の間、衛生学校にていろいろ研修がある。災害時のことについて。今回は米軍の衛生関係者も参加しての研修会。僕らの活動は日本国内だけじゃない。PKOとかで海外も行くしね。
最近世界中で自然災害が多発しているしね。だからこそ、アメリカと合同でちょっとした演習と講習を行う。僕はそういうチームに所属しているからね…一応…。
衛生隊には野戦病院とかあり、それとは別にあまり知られていないけれど、特別チームが設けてあったりする。即、国内外を問わず派遣できるように日々準備を欠かさない。僕の場合は、海外派遣経験もあるし、英語のほかにフランス語はペラペラ。イタリア語も、ドイツ語も日常会話程度なら話せるから重宝されている。ここまで話せる衛生隊幹部は僕くらいなもので、もし何時海外派遣が決まったとしたら、この僕がまず先に行かないといけないと思う。というか…経験とかいろいろ考慮すると、真っ先に僕の名前が挙がるんだろうな。海外派遣に限ってだけど。
衛生学校やある駐屯地で行われる研修会&演習。研修会の日は自宅へ帰ることができるけれど、演習はほんと泊りこみ。僕は医官だけど、司令本部的なところでいろいろ動く。医官の中でも若手の3佐。演習中は自然災害の海外派遣を想定して僕は派遣部隊長役を任じられた。まあなんとかアタフタしながらも3日間の演習をこなした。まあはじめて隊長役をしたわけなんだけど、さてどうかな?
今回の研修は、今までの災害派遣の教訓を生かすために、時間との勝負。派遣依頼が着たらすぐに、ま、海外の場合、1日以内に衛生隊関係だけでも派遣できるようにと、最近色々国会や防衛省で決まったことで、それに基づいた演習だった。演習後の研修会議では、僕が行った海外派遣の話をしたりもした。もちろん例の行方不明事案については言えないけれど、いろんな経験上のことを、英語で延々と話した。ためになったかは分からないけれど、伝えるべきことは伝えられたんじゃないかと思う。
すべての日程が終了後、日米衛生隊の打ち上げパーティーというか何というのか…。その時に持ってきた夏1種礼装がいるんだよね。僕は一応佐官だし、きちんとした服装でって前もって言われていたからね。
この日程中に仲が良くなった米兵たちと、色々冗談を交わしながら、今までの労をねぎらった。何か交換しようってことになって、迷彩なら階級章をって思うんだけど、常装だからと、胸についている衛生隊の職種章を渡した。僕はそれに準ずるものを貰ったんだけどね。ほんと勉強になる研修会だったと思うよ。あとはこの学んだことを参加していない者たちに部隊へ持ち帰って指導する。それがこの僕の仕事なんだよね。