昨年の都城市は大変多くの試練が降りかかりました。
口蹄疫に鳥インフルエンザ、そして新燃岳噴火。

都城市は日本有数の畜産王国の地。
もし、ここで大きな被害があれば日本全国にその影響が広がったところですが、何とかその危機は逃れる事ができました。
そこには多くのドラマがあったのです。

今回の宮崎滞在でどうしてもお話を聞きたいと思っていたところ「きなこ豚」で有名なはざま牧場さんが現場を案内しながら、お話して下さいました。
はざま牧場さんは都城周辺に20を超える牧場をお持ちになっています。

まず口蹄疫。
都城市ではひとつの牧場から口蹄疫がでました。
その牧場からわずか100mぐらいのところにはざま牧場さんの1つの牛舎がありました。
「どうやらでたらしい」ということを聞いた間さんは数千等の殺処分の準備を始めました。
その時は可哀想とか、もったいないとかの気持ちではなく、とにかく口蹄疫をここで止めなければならないという気持ちしか湧かなかったそうです。
ここで止めなければ更に広がる。もし鹿児島までいったなら・・・。
そう考えたときに出来ることはただ一つ。潔く全頭の殺処分でした。

その晩は関係者が寝ずに準備を進め、朝を迎えます。
「もう向こうの牛は殺処分したから、こちらはしっかりと消毒してください」
役所からの通達にほっと一息。
市長の殺処分の判断が早く、はざま牧場は被害からは免れました。
まさに危機一髪!!

ところが、半年たった頃に大きな音と共にやってきたのが新燃岳の火山灰。
聞いたことのない音と共に外に飛び出すと、新燃岳から一筋の黒いカーテンのようなものがこちらに向かってきます。
右上と左上は普通の青空。
しかし真上だけが見たことのない黒い塊がどんどん押し寄せてくる。
意味がわからないまま空を見上げていると、気づいたときには辺りは真っ暗。
急いで口と鼻を塞ぎました。

「新燃岳が噴火した!!」
新燃岳から最も近い牧場はわずか8kmの距離。
急いで車に乗り込んでそこに向かいましたが、近づくに従って火山灰は大きくなっていきます。
フロントガラスが割れている車もありました。
やっとの思いでついた豚舎をみて愕然としました。
屋根は至る所で穴があいている。
このままでは豚たちが危ないと移動を開始したのでした。

はざま牧場では牛や豚だけでなく、野菜も栽培しています。
ところが葉物の野菜は大変。細かい火山灰が表面にへばりついてとても売りものにはならない。
何億という被害を受けました。

しかし日本全国からがんばってくださいという声が届きました。
特に子供たちの無邪気な声と元気な絵ははざま牧場の皆さんの心を動かしました。
「どげんかせんといかん」
はざま牧場の本社には子供たちから送られたメッセージと絵が今も飾られています。

噴火が大分落ち着いた時にやってきたのが3月11日。
流れてくる映像はあまりにもショッキングなものばかり!!

「自分たちのことは自分たちで何とかしよう」
皆が心に決めた瞬間でした。

そんなお話を伺って南陽は福島に向けて飛行機に乗りました。(続く)


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