「あ~、ん、う~ん、も~

「痛いですか?体の使い方が悪いから、こうなったんですよ。殴ってもいいですよ。でも、右手(麻痺手)でお願いします、ネ」

昨日の訪問リハの様子です。

夫の固くなった筋肉を、ほぐしてくれている先生


その会話に、思わず笑ってしまった私に、
「なんでここ」と、怒りの視線が・・・

「奥さんのせいじゃないですよ。自分が悪いんですよ」

家の中をなんとか一人で歩けるようになり、せっせと自主トレを始めたのは良いのですが、歩き方がめちゃくちゃ


体のあちこちが、コッチコチに固くなり、そのせいで、ますます歩き方が悪くなる

なんとか、自分で立ち直ってくれることを期待して、傍観していた先生と私でしたが、「このままでは元に戻せなくなるかも」と二人とも思い、「自立はまだ早い」という結論になりました。

私は、初めて夫の「限界」を感じた気がします。

それは、体の限界ではなく、思考能力の限界、でしょうか。

夫は、高次脳障害のため、いろんな能力が下がっています。

リハビリ中、先生の指示が入らず、何回も言われることもしばしばです。

でも、理解できないわけではないし、先生が困っている様子もなかったので、それほど問題ない、と思っていました。

でも、今回、夫を一人で歩かせてみて、「今までのリハは何だったの?」というくらい、夫の頭の中に、「どう歩くべきか」が全くというほど入っていないことがわかりました。

私が「背中、まっすぐ~」とか「テンポよく行こう」と声をかけると反応できるのに、一人だと、できない


昨日は、私の愚痴を先生に聞いてもらいました。

娘のような年齢の先生は、ニコニコしたり、真剣な顔をしたりしながら聞いてくれて、自分の経験談を交えながら励ましてくれました。

いろんな患者がいて、家族がいて、障害も環境もさまざまで、その中で
も、悩みながら、どう寄り添っていけばよいのか、どう向き合っていけばよいのか、時には、先輩や同僚や友人の意見を聞きながら、考えます。

先生の目標は、最後まで患者や家族の希望をかなえるために全力で頑張るセラピストになること。

あ~、素晴らしい!

それに引き替え、私はどうでしょう。

イライラして、ため息をついて、夫に言いました。

「歩けないんなら、施設に入ることも考えてほしい。マジです。」

「ホントに真剣に言ってるの」

これからずっとこんな生活が続くと思うと、いたたまれない気持ちになります。

お~っと、今日は弱音を吐いてしまいました。

先生のストレッチの様子は、また今度ご紹介しますね。