ロンドン火災をきっかけに、映画『タワーリング・インフェルノ』を観た絶対ピアノマスター七子です、こんにちは!
14日未明、ロンドン西部の高層公営住宅グレンフェル・タワーで発生した火災と大惨事は、あなたもよくご存知のことと思います。
ロイター通信の動画で観たその目を覆うような光景は、信じられない気持ちと同時に、ある映画を思い起こさせることにもなりました。
各SNSでもこぞって、
「リアル・タワーリング・インフェルノ!」
との書き込みが見られたほどです。
42年前の映画にも関わらず、あらゆる年代の方がそのように書き込んでいらっしゃったことに驚きを隠せませんでしたが、それをきっかけとして、観逃していた映画を、70年代パニック映画ブームの中でも最高傑作と呼び声高い映画を観なくては!
との使命感にも似たような気持ちでレンタル店へ駆け込みました。
地上550メートル・138階。
サンフランシスコにそびえ立つ、世界最大超高層ビルの落成式。
そこには
- ビルの設計者と妻
- ビルのオーナーと娘
- その娘婿
- 莫大な財産を受け継いだ未亡人
- その未亡人狙いの詐欺師
- 上院議員
- 秘書と情事に耽る広報部長
- 市長とその妻
などなどの、300名の上流階級白人来賓者で賑わっていましたが、地下の発電機の故障によるボヤ火災を発見した設計者が避難を進言したにも関わらず、オーナーが耳を貸さなかったため、全員が地獄と化した炎の中に呑み込まれる事態となってしまいます。
ネタバレしては何ですので詳細は書きませんが、
人智を超える「火」の恐ろしさと、
それぞれの事情を抱えた人間たちの心情や、
そこから繰り広げられるドラマに釘付けになりながらも、
やるせない想いで一杯でした。
人間の力ではどうすることもできない災害時に、
自分だったらどうするだろう?
と、居ても立ってもいられない気持ちに襲われました。
そんな惨状の中、唯一の光であり救いがスティーブマックイーン演じる消防隊長でした。
前半を少々過ぎてから...という、彼の登場のさせ方も心憎い演出と言えますが、彼がひと度登場するや、もうひとりの主役であるポールニューマンの影が薄くなるほどの圧倒的魅力で、この映画をグイグイと引っ張っていくワケなんですね。
決して二枚目とは言えない顔立ちですが、そのあまりに青く美しい瞳と確かな存在感に、強烈に惹かれてしまいました。
カッケーです!カッコ良すぎます!!
方やポールニューマン。
言わずと知れたハリウッド映画界の大スターであり名優であり、独特な憂いと翳りある演技力で魅了させられましたが、マックイーンと比べると影が薄く。。。ゴホゴホ(笑
その他の配役もそれぞれに応じて際立っていまして、
- 往年の名優ウイリアムホールデン
- 『俺たちに明日はない』のフェイダナウェイ
- ダンスの神様フレッドアステア
- 『慕情』のジェニファージョーンズ
- 服役したO.J.シンプソン
- 『ナポレオンソロ』のロバートヴォーン
- 米TV界の貴公子ロバートワグナー
などなど、今では考えられない配役陣はヨダレものでした。
例えば、ウイリアムホールデンが演じたビルのオーナーの、利益優先と最新鋭のビルへの過信が大惨事を招いたワケですが、終盤では自分が犯した間違いに気付き認め、
「招待客全員が救助されるまで残る!」
とまで人格が変わり、ラストでは
「もはや神に祈るしかない」
と、キリスト者を思わせる変貌ぶりには驚かされました。
地獄のような事態により、ようやく人間性に目覚めた金の亡者(!?)に思わず拍手を送りたくなるような巧みな演技でしたね〜。
そしてもうひとり。
忘れてはならないお方。
そもそもこいつwが予算削減と称し、電気工事を手抜きさせなければ、このような大惨事は起きなかったかと思うと(苦)
その大火災の元凶が、ビルのオーナーの娘婿です。
役者さんはリチャードチェンバレン。
手抜き工事で私腹を肥やし、義理の父を尊敬もせず、妻も愛さず、ただ自分ひとりが良ければ良いという役どころを見事に演じ切った彼にブラボー!を送りたいと思います。
役者というものは、憎まれ役をまるでその人の真の人格のように演じられれば一流ですからね。
ぜひこの方の末路を映画で確かめてみて下さい(爆
っとまぁ、ストーリーの詳細を書けないため、役者談義となりましたが、この映画から得た「警告」と「大切なこと」を自分なりに述べ、最後としたいと思います。
まずロンドン火災では、何年も住民たちが火災の懸念を訴えていたことが明らかとなりました。
スプリンクラーの設置が無い
修繕工事で外壁に可燃性の断熱材が使われた
地下ボイラー室とエレベーター管理室、地上階の配電室にそれぞれ配置されている消化器は、使用期限を12ヶ月過ぎていた
などなど。
当たり前の管理や点検ができていなかったんですね。
映画では金絡みでズサンなことが行われていましたが、発火がまだ小さかった時点で避難していれば、大事には至らなかったワケです。
そこから、
危機管理
小さなことを見逃さない
ということが身に染みました。
そしてそして、とても大切なこと。
人間は文明と時代の発達と共に驕慢・傲慢になり、他人との協調性に欠けていく傾向性があるように思われます。
自分ひとりが良ければいいじゃん!
みたいな。
しかしながら、常に心がけなければならないのは、
隣人への愛
ではないでしょうか。
この映画でもそれができなかった人たちが、人智を超える大災害に遭ってやっと、そのことに気が付きます。
特に人生の最期を予感した時に、人間は何ができるでしょうか?
それはこの映画では
「アイラブユー」
という言葉でした。
"I love you."と言うと、日本人は男女の愛としか思い浮かべない傾向があると思いますが、英語圏の国ではもっと広い意味で使われています。
二年半、毎日英語ネイティブとやり取りして判ったことですが。
ですので、いつ何時何が起こるか判らない人生に於いて、
家族へ
友人へ
生徒さんへ
応援して下さる方へ
お世話になっている方へ
"I love you."
という気持ちを持ち続けていきたいと、思いました。
以上が、この映画から学んだことです。
ちなみに映画のラストでは、予想外のあり得ない方法で、火が消されます。
っということで、
ロンドン火災とシンクロする『タワーリング・インフェルノ』をぜひ一度、ご覧いただきたいと思います😉
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