腰痛や肩こりなどの痛み、疲れ、不眠、気分の落ち込みなどの不調。そのため改善を目指し、整体に通ったり、筋トレやジョギングをしたり、病院に行ったりします。でも、その結果、本当に調子はよくなったでしょうか?
おそらく、あまり変わらないと感じている方が多いと思います。
なぜなら、そうした不調の原因の多くは、筋肉や骨格の問題でも、単なる運動不足でもなく、「気づかない緊張」が原因であることも。
現代人が緊張しているのは、仕事や人間関係などのストレス、運動不足、パソコンやスマホなどの影響。たとえ自覚していなくても、誰もがストレスを受け、体を力ませている。
そうした無駄な力みは、痛みやコリの原因となるばかりか、自律神経を乱し、睡眠や精神状態にも悪影響を及ぼします。疲れや病気の原因にもなっているのです。
私たちが力んでしまう理由と、脱力をすれば体と心にどれほどよい効果があるのか。
自分では気づいていない緊張とは?
脱力するためにまず重要なことは、自分の体に力が入っているのを自覚すること。首コリや肩コリなどがある場合には、緊張に気づきやすいかもしれません。しかしその他の部分については、自分が緊張していること、力んでいることに気づいていない人がとても多い。
自分は力を入れていないつもりなのに「力を抜いてください」といわれ、緊張していたことに気づいたりしたこともあるのではないでしょうか?
つまりはそれほど、力みは無自覚なものだということです。
ところで、「アウターマッスル」と「インナーマッスル」ということばを耳にしたことがあるのではないかと思います。アウターマッスルは体の表面を覆っている筋肉で、インナーマッスルは体の内側にある筋肉。無意識の力みは、おもにアウターマッスルに生じているのだといいます。
アウターマッスルは主に可動域以上に行きすぎないようにしたり、衝撃から体を守る筋肉で、インナーマッスルは主に骨と接しっている分部が多く細やかな体の動きを伝える筋肉です。
姿勢が崩れ、インナーマッスルがちゃんと仕事をしなくなると、アウターマッスルがインナーマッスルの代わりをしなければならなくなり、アウターマッスルに力みが生まれるのです。
よく言う体の柔らかさには骨格も関係していますが、基本的に体が柔軟な人は緊張の度合いは低く、硬い人は緊張の度合いが高いといえます。
ただし体が硬いというのは、筋肉の問題ではないようです。体が硬い人は緊張によって体の可動域が狭くなっているため、それ以上動かすなと脳がストッパーをかけているというのです。つまり重要なのは、筋肉そのものの硬さではなく、脱力することだというわけです。
要するに脱力すれば、体も心もリラックスさせることができ、すぐに痛みと疲れをリセットできるのです。