今日はAndroid女子部の活動をログります。Android女子部の@rikanakayamaです。

先日、GoogleさんとAndroid女子部で共催したイベント「スマートフォンアプリのマネタイズ&マーケティングセミナー」の企画と運営のお手伝いをさせていただきました。


今回のセミナーは、
・参加者は成人女子限定。(ビア&ワイン&オサレおつまみの懇親会つきw)
・スマホアプリのマネタイズ&マーケティングがテーマ
・業界でも話題のGoogleさんのオフィスが会場!
・異色の人気アプリ「なめこ栽培キット」とゆるきゃら「ぴーこん」の開発秘話が聞ける!
という魅力的すぎる内容だったため、ATNDでイベント概要を作成したところ、あっという間に定員が一杯になってしまいました。
参加できなかった数多くの女子の皆さまには本当に申し訳ない…
だけど、ひょっとしてかなりの確率で続編が開催されるかもしれないのでその際にはぜひ!


晩メシ日記(ばんめしにっき)-gglady


そして肝心のセミナー内容、これまたとても興味深く豊富な知見が得られるものでした。
Googleの坂本さんがまとめてくださったtogetterが最も臨場感もってセミナーを振り返ることができる資料なのでぜひご興味あるかたはご覧ください。そしてここでは私の感想も含めて、今回のセミナーについて記録しておきます。今回はUst中継もなしでクローズドで行ったものなので、ご参考になれば幸いな…。


(1)データメモ
・日本のスマホ市場、今までは男性ビジネスマンがコアだったが、最近は若い女性の新規ユーザーが増加中。今後は女性ターゲットのアプリでマネタイズも?広告商材も女性向けのものが増えている。
・無料アプリと有料アプリのDL数には2:1ほどの差がある。リーチが圧倒的に違う。
・無料アプリの広告収益はDL数に比例しない。=DL数が徐々に勢いを失っても累計のアクティブユーザーが増えれば広告収益を減らさないようにすることも可能。
・アプリのマネタイズの方法として、無料アプリ、アプリ内課金、広告収益…など複数のマネタイズ手段をポートフォリオ化するのが一つの良策。
・広告による収益化のKPIはDL数よりむしろアクティブユーザーの数×滞在時間×PV数×生存期間などなど。

■Touch the numbersの事例。
この無料アプリは売上1,000万前後/月。
同水準の売り上げを85円の有料アプリで稼ごうとしたら毎月15万DL必要。→有料のワンショット課金アプリでマネタイズするのって難しいよね。

■angry birdの事例
最初にiPhoneで有料アプリ販売で年間で750万ドル売上。
後発のAndroidでは無料+広告で月間100万ドル売上。年換算すると(12ヶ月)有料販売よりも収益が勝る。

■AdMobの特長
・女性パッケージ、ビジネスパッケージ等、アプリに最適化した広告表示が容易に設定可能。
・掲載基準が厳しくアプリ側は安心(出会いや美容整形などは表示されない)。
・配信システムを利用して自社広告を無料で掲載可能。※自社広告はオイシい!!!!
・アプリ内に検索連動広告が出せる。(CTRが高い)

■AdMob広告モデルで上手に収益化するためのTIPS
・「広告案件が多い時=収益化しやすい時期」に乗ること大事
例えば年単位で見ると3月は広告主の予算消化時期なので配信される広告が多い=儲かる。
月単位で見ると月末が配信される広告が多い。さらには季節による広告の波もある(例えば2月ならバレンタイン関連の広告が増える)。
→これらの広告出稿のボリュームが多い時期には広告をフルで表示できるように自社広告は控える。逆に広告が少ない時期には自社広告…という風に調整するだけでも収益化の機会損失を減らせる。


(2)なめこ栽培キットの事例

・なめこiPhone版が540万ダウンロードの実績
・実はプロモーション用アプリとしてリリース。そのポリシーを貫いて今後もユーザー課金の予定なし
・収益は狙っていなかったが結果としてadmob広告で儲かっている。
・当初は自社広告で露出したのみ。特別なことはしなかったが口コミでヒット。
・開発のこだわりはなめこ収穫時の快感→女子にウケた!
・SNS機能がないが実は実装の時間がなかっただけ。
・SNS無しでもバズった理由はバズの受け手が「スマホでなめこ栽培?何それ?」と反応してくれるよう狙ったコンセプトやタイトル。
・ユーザーは3週間で飽きる(離脱)設定なのでおよそ1ヶ月ぐらいでアップデートするよう設計。マメなアプデがユーザーの離脱回避には重要。
・プロモーションのTIPS: 小規模アプリを月1ぺースで開発&プレスリリース配信の継続により。まずはデベロッパーとしての認知をメディア側に刷り込んだ。それによりアプリの注目度も次第に上がる。
・アプリだけで収益化と考えない。なめこグッズのセールスも収益の一つ。


(3)Android女子部からの質問とか。

Q:iPhoneとAndroid、収益化しやすいのはどっち?
Googleさんはadmobの立場上、OS個別の違いなど言及しにくそうでした(笑)。
ただし個人的にもGoogleさんの回答と同じく、広告モデルでの収益化に限って言えば、iPhoneもAndroidもやり方次第じゃないかと。

ちなみにわたしの私見ですが、有料アプリ販売でのマネタイズにおいては明らかにAndroidの方が不利だと感じています…経験的に。なにせiPhoneとAndroidで同仕様の同金額の有料アプリをリリースしてもDL数には10倍ぐらいの開きがあるのだから。

ところで余談ですがダウンロード数の瞬発力がランキングに大きく貢献するのがiPhoneのマーケットである一方で、Androidマーケットは累計のダウンロード数や販売期間がランキング上有利っぽい(うん、googleの検索ロジックと通じるものがある)。つまり本当にユーザーに支持されるAndroidアプリならばじわりじわりとランキングを上がってくるに違いないわけで。ならば広告モデルで長期的にアプリを収益化させる戦略がAndroidマーケットの方が立てやすいかもしれないですね。


Q:無料アプリと有料アプリ、どちらが収益化しやすい?
有料アプリ単価の相場が下がっていることを考えると、高額アプリを多売するのはハードル高い。
結果として無料アプリに広告やアプリ内課金などのマネタイズの仕掛けをして収益化する方が確率が高いのでは。


Q:なめこのAndroid版がリリース後すぐにトップ30に入った理由は?
既にiPhoneでなめこが人気だったので、Androidにも欲しいという潜在ニーズがマックスだった。オフィスにメールや電話でアンドロイド版の要望がはいっていた。(byなめこさん)
ユーザーからの潜在ニーズが飽和状態だったところにリリースしたのが功を奏したもよう。


Q:Androidマーケットのオススメ欄にはどうやったら表示してもらえるの?
アプリ側にできるのはプロモーション用の画像やスクリーンショットを丁寧につくり込んでいつ声がかかってもよいように備えておくこと。(byなめこさん)
ここからは私見ですが、iPhoneの場合も、良いアプリと判断されるとapple側から素材を用意してね♥という連絡がある。けれどその手前でそもそも選別する人の目に触れないと選別のテーブルにも乗らないから、コネつくっておくのも大事でしょうね。


Q:アプリのプロモーションの成功例
・ぴーこんの場合は、リアルぴーこん(着ぐるみ)が全国を行脚してユーザーとふれあう機会をつくったり露出をしていった。キャラが愛されることでホーム画面から消されずに長くスマホに置いてもらえる。思い出して使ってもらえる。キャラがメインのアプリではないがキャラがいることはプロモ上必要だった。(byぴーこんさん)


Q:アンドロイドマーケットでビジネスするなら、残りの大学生活、何をするべき?
学生時代にしかできない経験を。南米へゆけ!(by なめこさん)
ディレクターならば、情報を整理して伝える能力、異なる職種と職種の言葉を翻訳して伝える能力(コミュニケーション能力)が必要。プロモーションのためにはユーザー視点を持つこと、ソーシャルに身を置くこと必要。(byぴーこんさん)
内に籠らずにどんどん外に出る、外部の情報に触れることが大事。(by 綾子さん)


Q:アプリのマネタイズの成功事例、ゲーム以外のジャンルでもあるのか?
ユーザーが継続的に使いたいと思えるアプリをつくれば広告収益化はできる。乗り換え系アプリとか女性の生理日管理アプリとか、マネタイズの事例は実はある。


Q:広告の会社は数あれど、単価(デベロッパーに入る収益)が違うのはなんで?
単純に単価だけでは比較できない。
単価が高くても在庫が少なく表示率が低いならば、単価が低くても表示率が高い場合よりも、収益は低くなってしまう。総合的に価値を判断する必要があると言える。
あと、広告プラットフォーム毎に得意な業種、特定の業種に依存する場合がある。その場合はその依存する業界が不況になると広告からの収益も得られにくくなるので、取り扱い業者による違いなども考慮すべき。


以上が今回のセミナーのレポートおよび個人的感想です。
忘れてる箇所や聞きこぼしてるところもあるので歯抜けなのはご容赦ください。


セミナーの後は、Googleさんのカフェスペースにて、ビールやワイン♡が振る舞われる懇親会に。おしゃれなフィンガーフードもバーカウンターにずらりと並び、女子は悲鳴モノの素敵な懇親会でした。

晩メシ日記(ばんめしにっき)-beer

晩メシ日記(ばんめしにっき)-dish

さらに帰りには素敵なお土産の品々…
・Googleさんからアンドロイド女子部仕様のドロイドちゃんステッカー!(なんと今回のセミナー限定、非売品のレアものです、みなさん大事にしとったら値上がりするかもw)
・さらにgoogleさんから、ドロイド君の手作りクッキー。
・ぴーこんのエムワープさんから、ぴーこんマグネット。
・なめこのビーワークスさんから、なめこストラップマスコット。
と、至れりつくせりの素敵な会でございました。

この機会をくださり、場を提供してくださったGoogleには感謝です。
次回も企画したいですね。