計測条件は遮熱性能実験と同じ条件で行います。
遮熱性能実験
実験方法は各計測板を40℃まで温度を上昇させ、その後すぐに計測板表面に氷を載せまして、計測板裏面の温度の変化を見ていきたいと思います。
計測板は全開時に使用したものを使用。
一般的なアクリルシリコン塗装(模様塗り無し) No1
一般的なアクリルシリコン塗装(模様塗りあり) No2
遮熱・断熱塗料 A No3
遮熱・断熱塗料 B No4
この4枚の計測板で断熱性能の比較実験を行いたいと思います。
一般的なアクリルシリコン塗装(模様塗り無し) No1
最低温度 4.0℃
開始1分後にはすでに最低温度付近に低下。
断熱性能はあまりというか、殆ど無いように見受けられます。
計測時の動画です。(12分間すべて撮っていますので、かなり長いです。)
一般的なアクリルシリコン塗装(模様塗り有り) No2
最低温度 5.0℃
No1に比べ多少は温度低下の速度は遅いようですが、開始数分後にはNo1と同じような結果となりました。
温度低下の速度は、塗膜の厚みがある分多少遅かったようです。
計測時の動画です。(12分間すべて撮っていますので、かなり長いです。)
遮熱・断熱塗料A No3
最低温度 8.0℃
No1・2に比べ温度低下の様子は比較的ゆっくり。
断熱塗料と言われるだけあって、効果はあるようです。
計測時の動画です。(12分間すべて撮っていますので、かなり長いです。)
遮熱・断熱塗料B No4
最低温度10.0℃
今回の実験では一番良い結果が出たものになります。
No3の同じ遮熱・断熱塗料と比べましても、温度低下の速度は遅いようです。
計測時の動画です。(12分間すべて撮っていますので、かなり長いです。)
今回の実験でわかりましたことは、対象物裏面に到達する温度の時間を、遮熱・断熱塗料の場合では比較的長くすることがやはり出来るようです。
時間が長い(掛かる) = 断熱性能がある
ということですので、やはり、一般的な塗料と比べた場合では、性能の違いはあるようです。
「各結果をまとめたグラフ」
また断熱性能は、A社の遮熱・断熱塗料とB社の遮熱・断熱塗料を比べた場合において、B社の遮熱・断熱塗料のほうが、より断熱効果は得られるようです。
計測開始から1分後の温度の比較をしてみますと、
No1 一般的なアクリルシリコン塗装(模様塗り無し) 5.0℃(開始時から35.0℃低下)
No2 一般的なアクリルシリコン塗装(模様塗り有り) 16.0℃(開始時から24.0℃低下)
No3 遮熱・断熱塗料A 22.0℃(開始時から18.0℃低下)
No4 遮熱・断熱塗料B 26.0℃(開始時から14.0℃低下)
という結果になりました。
ただし、ここから以下書きますことは、遮熱性能実験でも書いたことになるのですが、今回の実験はあくまで、塗膜の性能を比較しただけに過ぎず、これらの実験結果ででた数値が、そのまま戸建住宅に当てはまるかと言いますと、まず当てはまることは稀になると思います。
大事なことは、これらの塗膜の性能が、構造的に熱に比較的強く、また断熱層も設置されている戸建住宅のような場合において、どの程度の影響(効果)があるのか、ということが最も重要です。
何度も言いますが、今回の計測板の様な、屋根・外壁共に鉄板で出来ており、また断熱層も無いような戸建住宅では、今回の実験結果がそのまま当てはまるでしょうが、実際にそのような建物は皆無に等しいのではないかと思います。
唯一、非常に似た造りがあるとするならば、仮設住宅の様なコンテナ(プレハブ)もしくは、工場や倉庫ぐらいでは無いかと思います。