さて本題に戻ります。

 

減数分裂の際に最初に4nになることにどんな意義があるのか、ですが、二つ前のブログで

 

「この時期で分裂が止まる理由は、4セットのDNAを最大限に利用して、なるべく早くなるべく多くのタンパク質を貯蔵し、親システムとの協力のもと、発生に必要なその他の分子をも溜め込むためです」

 

と書きました。さて次の図を見て下さい。

卵子においては、DNAが遺伝子増幅という手法をとり、リボソームRNAの転写のもととなる領域を大量に複製しておくのです。

リボソームはDNAをから転写されたRNAの情報を元に、タンパク質を合成する非常に重要な役割を担っています。体のほとんど全ての構造は、リボソームにかかっていると言っても過言ではないでしょう。

 

哺乳類では、受精後に卵割が進み、早い段階でDNAの転写が始まりますが、それでもその時点まではタンパク質合成が十分に行われる必要があります。つまり、想像ではありますが、初期胚辺りまでは、卵子にもともと含まれているrDNAが豊富であり、且つタンパク質合成に十分な分子が卵子を満たしていないと、卵割が停止するのではないかと考えます。

 

遺伝子増幅から作られるrRNAは、核小体というものを形成しますが、これはDNAの転写が比較的早期に始まる哺乳類では、そうでない生物種のほうが大量に蓄積されていることからも、その重要性が窺い知れます。

 

そしてまた様々な遺伝情報を伝達するmRNAの合成は、減数第一分裂複糸期にランプブラシ染色体が活発に見られることで理解されます。これがまさに、卵子が卵巣内に貯蔵されている状態であると考えられます。

 

つまり、卵子は排卵に向けて準備が始まる(長く見積もれば約300日以上前でも、こうした状態が持続しており、この時(とは言っても長い間)の卵子を取り巻く環境(細胞外マトリクス)の悪化によって、卵子劣化がじわりじわりと進んでいくのではないかと考えます。

 

ここでお気づきの方もおられるでしょう。

 

卵子の劣化の大きな原因の1つである染色体異常を。

 

続く

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