最近、ビジネスジャンルで有名になると姿を消す作家が増えています。大手出版社で、10冊前後の売行き好評本を出版して、その後プッツンと姿を消します。私は彼らをサブマリン作家と呼ばせていただきます。昨日も、その一人の作家にその仕組みについて2時間くらレクチャーしていただきました。彼らは共通して、作家本人を代表とする全国組織を形成しています。毎月、会報誌や出版物、CD、DVDを製作し、会員に販売することで出版啓発活動をしています。全国各地でセミナーや講演会を実施し、地元にまとめ役をつくり、自分の分身として組織的な活動を拡大していきます。中身は中小企業の経営トップ向けのコンサルですが、一つの一代勢力を形成しています。したがって全国大会の際には政治家の先生もその票田を目当てに駆けつけます。
件の作家先生は私にいいました。「もう、出版社で本を出す意味はあまりないですね。1万部なら自分の組織で売り切ります。リスクはありません」。つまり、私のような商業出版は彼らにとってデビューの際には必要だったということです。
大手芸能プロダクションでデビューして、人気タレントになると個人事務所を設立するようなものでしょうか。
立派なオフィスに20人の正社員をもつ作家が、自費出版で、独自の流通ルートで自分の本を売る時代はもう始まっています。