昔、農家の用水として、ため池や堤といった人工の池が田舎の田畑のあるところにはたくさんありました。堤は、子どもたちにとっては魚釣りなどの絶好の遊び場でした。
田植えの時期になると堤の堰が切られて、いっぱいあった水がみるみる減って、夏休みが近くなる頃には、浴槽の栓を抜いたように、ところどころに大きな水たまりをができて、コイやフナ、ドジョウやめだか、そしてオタマジャクシ、トンボのヤゴやタガメなどが生き残るために狭く、浅く、水温が高い水たまりへと水の減少と同時に追いやられていきます。最後は、化石のようにひび割れたドロの上に干物状態の生き物が点在してました。
今、その光景を私は思い出しています。