ビジネスモデルの考案は、ダイヤモンドの原石を発掘するのに似ている。原石が眠るのは、渋谷、新宿、池袋の歓楽街。つまり、フーゾク業界である。最近では、東京都の条例でこれでもか、これでもかと叩かれているようすは、まるで強力な殺虫剤が開発される度に強くなるゴキブリのようである。「知人から聞いた」ということを認めてくれるのであれば話そう(本当に信じてくださいね)。渋谷、新宿、池袋ではラブホテルはもちろんのことビジネスホテルも受験や春休みシーズンではないのに現在、予約で満杯だ。規制で勤め先のフーゾク店が閉店し、行き場のなくなった女の子たちが、グループでホテルの部屋を押さえている。いわゆるデリヘルだ。従来から、ホテルにはマッサージを呼ぶサービスがある。白のワッパリを羽織ればOK。客もショッキングピンクの看板が取り囲む入り口に飛び込む勇気も、怖いお兄さんの客引きとのやり取りも必要なくなった。では、その出会いはどのようにといえば、インターネットのホームページ。まだまだある。いかがわしい男性エステ店のフランチャイズ化だ。もうここまでくれば、ベンチャーも顔負けだ。山の手沿線の駅から3分以内のマンションや商業ビルには、今では必ずある。店は外からはわからない。では、その出会いはどのようにといえば、インターネットのホームページ。中でも「香流式エステ」「香流式アロマエステ」というのが最近では急成長を遂げている。ホームページもキレイだ。見た目安心。しかし、場所を示す地図がない。完全予約制だ。初めての客は電話して、お店が入っているビルの部屋まで誘導される。なかには1階の共有玄関のロックのナンバーまで教えられて入っていくところもあるという。部屋の表札には苗字の変わりに「○○健康相談所」と書いてあるが、指示どうりにボタンを押すと、なんとマンションがお店になっている。会員カードまでつくらされて次回からはナンバーで予約や特権が受けられる。サービスはというと・・・、そういう掲示板ではないので、それはよしとして、マッサージ師は、フリーターや学生、OLとういういわゆる素人だ。ここで3ヶ月くらい働けば海外旅行やブランド品を買うためのお金は貯まり、辞めていく。筋のいい子はオーナーからお店を持つことを勧められる。駅の近くのマンションの部屋を借りて、すぐに開業できる。マッサージ師の養成や教育は、会員に通常の半額料金で、客の少ない昼間にプロと見習いが付いて実践サービスで学ぶ(OJT)。中にはそのほうがありがたいという客もいる。最近のゴキブリは起業家精神を持っている(?)。インターネットで集客。安全な特定定数の顧客を確保するため会員制度導入。カラダが資本の高付加価値なビジネス。開業のリスクが低いなどなかなのものだ。近々、労働省は会社勤めのOLが仕事を終えてからスナックなどで働くために、次の職場へ向かう途中の事故や災害を受けた場合、労働災害と認める法案を通す。これが蟻の一穴となって、社員のアルバイトが解禁され、新たなビジネスが花開く。しかし、厳しい取締りをかいくぐって新たなビジネスを考える彼らの飽くなき探究心には敬服する。ホントに聞いた話。(知人談)