味噌茄子に使う山椒を摘もうとベランダに出てみると
その私の小さな山椒さんに何やら異変が…
出たー
アゲハチョウの幼虫!
しかも9匹!!
最近暗くなってから水遣りする事が多かったからだわ
うっかり気付かなかったな
なんて言ってる場合じゃないんだな
アゲハチョウを育てた事がある方はご存知彼らのハンパない食欲により
山椒さんの残る葉っぱはあとほんのわずか
このままだと山椒さんはおろか幼虫達も全滅の危機!
それも自然の摂理か…?と思いつつも我が家のベランダで息絶える彼らを見るのも忍びないし
よし
レスキュー希良
出動でありますっ
短いくせに驚きの脚力ではっしと山椒に掴まる幼虫達に
「いい加減にして!助けてんのよ!」と声をかけつつ諦めて葉ごと小皿に集めながら
脳内のご近所樹木地図を引っ張り出して山椒の木をサーチ
芝刈りの時に見掛ける一本をピピピと思い出して玄関を飛び出し向かったのですが
この木がまたもう非常に残念な有り様で…
同じく幼虫に食べ尽くされたらしくほとんど坊主な上に
連日の猛暑で葉っぱが硬く乾いているのです
これじゃこの子達…
蛹の前に餓死だわ……
残る山椒の木は裏の森の中
しかし夕陽が沈むこの時間帯
ヤブ蚊の集団攻撃は避けられない
……いーやーだーーー
「という訳でこの山椒でサバイバルしてね☆」
と幼虫達を置き去りにする結末も一瞬頭をよぎりましたが
そうしてる間にも小皿の上の残り少ない葉っぱを呑気に着々と食べる幼虫達を見てたら
……でーきーなーいーーー
置き去り案却下!
今にも暗闇になりそうな裏の森を山椒の木目指してひた走る私
途中つる草に足を取られてたりして激しく揺れる小皿の中で身をすくめる幼虫達
良かった!
こっちの木はまだ元気だわ!
しかし安心するのはぜーんぜん早かったのです
目の前にわんさとある葉っぱに見向きもしない幼虫達をよじ登らせるのがまた至難の技
「お願い!いい子だから!あたしの事も考えて!」と聞く耳皆無の彼らを叱咤激励しながら
一匹移しては腕に無数にとまったヤブ蚊を追い払うの繰り返し
九匹目が無事木に掴まったのを見届けた途端森から逃げ出したレスキュー希良ですが
その両腕は幼虫達の命を救った代償として
ぼっこぼこに腫れ上がったのでした…
何はともあれ
任務完了お疲れ私
腕をアイスノンで冷やしながらソファに沈み込む今
味噌茄子を作る気力も失せてお夕飯の献立に迷い中
山椒ももう無いしねぇ
でもね
デザートは決まってるんだ
森を抜け出る時に見付けたイチジクひとつ
すかさず採って幼虫達のいた小皿に乗せて帰って来たの
これはきっと幼虫達を救った
ご褒美なんだと思います
***希良***