9月のLondon Open House Festivalでは普段入れない色々なビルが一般公開された。ただ、10月中旬の学会発表と新学期の準備が重なり目が回るような忙しさで1ヶ月も経ってやっとブログに書くことができるようになった。今年は通常ポーランド人以外入場不可能なポーランド大使館、個人住宅2軒、モダニズム建築アイソコンフラットを訪問。中ではアイソコンフラットが最も印象的だった。そもそもアイソコンフラットを選んだのは、去年総代の学生に勧められたから。まだ学部生なのに昨年オープンハウスでボランティアをしたという。ロンドンではボランティアと言えども若干は賃金が支払われることが多いのに「タダ働きだった」そうで、愚痴られた😏。 彼の担当したビルがアイソコンフラット。建物の形は知っていたけれど、名前は覚えてなくて「どんなビルだっけ?」と訊いたら「絶対知ってるよ!チューターなのに駄目じゃん」と注意されてしまった…

 

  で、当日午後3時頃ノコノコ出掛けたら、現地では長蛇の列ではないか!こんなことなら土曜の朝仕事なんてせずにすぐ来るべきだった、と大後悔。しかも、4時終了なので下手をすると並ぶだけ並んで中に入れない可能性まで浮上。現地にある小ギャラリーで知ったのは、アイソコンフラットは推理小説の女王アガサ・クリスティやバウハウスのメンバーたちが住んでいたこと。付随するショップには彼らの作品も展示されていた。並んでいる間に私の前に並んでいた人が「ちょっとギャラリー覗いて来るけど、良い?」と訊いてきたので交代で私もギャラリーを見られた。

 

  さて、4時ギリギリになって、並んでいる人全員ペントハウスへの入場が許された。フラットに入った途端「Wow!」と声が出るほど予想外の隠れた屋上テラスが素晴らしい。こんなテラスを一人占め!どうもこのフラットには住む人はいないようで、文化財としての展示だった。モダニズムらしい家具も。

 

  更に驚いたのは、ペントハウスに隣接するフラットの住人男性が今住んでいる状態を公開して見せてくれたこと。モダニズムスタイルの寝椅子にはネコが自分の領土を主張するかのごとく横たわっていた。小ぶりのグランドピアノや観葉植物の配置など、スタイリッシュ。YouTube の「現実を生きるリカちゃんねる」並みの自分の部屋を反省。同時に若くしてこんな素敵なフラットに住めるとは、凄いなあと感心した。噂に違わぬモダニズムの傑作だった。

アイソコンフラット外観
寝室
狭いけれど機能的なキッチン
アイソコンフラットの模型
シンプルな家具
ペントハウスの広大な屋上テラス
かつてバウハウスの主要メンバーが居住
小ギャラリー
ネコが自分の領土を主張