日曜日ケンブリッジ近郊に住む友人達とフィッツウィリアム美術館に行ったがその前に一人で建築が有名なセントラル・モスクに立ち寄った。去年からBioinspired Architecture (生物模倣建築)についてセミナーで教え始めたのだが、ケンブリッジのセントラル・モスクはその一例として名高い。写真で見るだけでは分からないので、機会があったら是非実物を見たいと思っていたところ、思いがけなく直ぐに見学することができた。ただし、本来ならばもっと早起きして館内ツアーに参加するつもりだったのに、寝飛ばして目覚めたら既に8時過ぎ。ロンドンから2時間はかかるので10時からのツアーには絶対間に合わなくて今回は諦めた。その所為で、中庭とカフェが見られなかったのは残念。しかも、ケンブリッジまでの電車に乗っている間に、モスクを訪問する際には女性はヒジャブ🧕またはスカーフで髪を隠さなければいけない事に気付き、駅前でチャリティーショップやアクセサリー店を探したのにお店は殆ど無いではないか。仕方なく、日本に居る友人から貰った絞り模様のショッピングバックを被ったところ、運よくスカーフに見えたので、入り口脇の警備員室で「この髪型でモスクに入れますか?」と確認したところ「問題ない」との答え。お陰で無事内部の女性用礼拝室まで見学することができた。
 
 多額のお金をかけた建物ではなく、どちらかと言えば質素でシンプルな作りなのに、デザインが優れているのでとても立派に見える。トップライトの使い方が上手いので、宗教的な神聖さが強調される。しかも、静寂が引き立つ作りになっているので、心が休まる建築。傑作だと思う。今やケンブリッジ名物になっているとか。後日ムスリムの学生と話したところ、やはりイギリス内での近年のイスラム建築の中では一番素敵なモスクだとのこと。設計はミレニアムプロジェクトの大観覧車ロンドン・アイの設計者として名高いMarks Barfield Architects。
 
 モスクを出て友人たちと待ち合わせのフィッツウィリアム美術館へ。こちらはケンブリッジ大学付属だけあって豪華絢爛たる美術館だった。古代ギリシャから始まる超有名アーティストのお宝が次々現れるので仰天。ピーター・ブリューゲル(子)などの中世絵画、レオナルド・ダ・ヴィンチなどのルネッサンス絵画や彫刻、エル・グレコやムリーリオなどの宗教絵画、印象派ではルノワールやセザンヌ、イギリス絵画ではラファエル前派のジャン・エベレット・ミレーやロセッティ、前衛絵画ではバンクシーまで。日本や中国の陶器も展示。決して大きくない美術館なのに一回りしたら、あまりに西洋美術のオンパレードで内容が重くやや食傷気味。でも、何度でも訪れる価値がある美術館だろう。
 
静かな前庭で噴水の音が心地良い
 
ベンチで噴水を囲う
 
玄関前には椅子とテーブルが置かれ待ち合わせに便利     ウドゥーというお浄め用水場
 
礼拝室もバイオインスパイアデザイン 床の石モザイクが美しい 

Royal Institute of British Architects (RIBA) の動画。2021年スターリング・プライズ受賞作品

 
フィッツウィリアム美術館のメインエントランスは豪華絢爛
企画展にはバンクシーも!

皆がマスクしている、パンデミック後の新しい動画