今日は茨城大学にて「原発事故 子ども・被災者支援法セミナー」に参加してきました。
(※平成24年度茨城大学復興支援プロジェクト事業。)

午前は福島で被災した人向け、午後は茨城で被災した人を対象に、弁護士さんの
解説と共に国会で可決された「
被災者支援法」についての理解を深めました。

被災者支援法というのは、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめと
する住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進
に関する法律」のことです。

とても長い名前でわかりにくいのですが、すでに一部の地域で定められている
「避難区域」など以外の地域へのフォローに関する法案です。

本来の住居から避難、または移住をした人や、一時的に避難していたけれど
戻ってきたという人、そしてずっと被災地にとどまり続けてきた人たち・・・といった
3つの立場にわけて、それぞれの不安や不公平感を減らすための補償を設定しよう、
というのが狙いのようです。

しかし、具体的な対象地域はまだ決まっていません。

参考までに、下図はすでに環境省によって設定されている「汚染状況重点調査地域」。


(11年12月19日朝日新聞より抜粋)

【岩手県】 一関市、奥州市、平泉町

【宮城県】 石巻市、白石市、角田市、栗原市、七ケ宿町、大河原町、丸森町、山元町

【福島県】 福島市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、相馬市、二本松市、伊達市、
本宮市、桑折町、国見町、大玉村、鏡石町、天栄村、会津坂下町、湯川村、三島町、
昭和村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、
石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、広野町、新地町。田村市、
南相馬市、川俣町、川内村は警戒区域や計画的避難区域もあるが、そうした区域以外の
地域

【茨城県】 日立市、土浦市、龍ケ崎市、常総市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、
取手市、牛久市、つくば市、ひたちなか市、鹿嶋市、守谷市、稲敷市、鉾田市、
つくばみらい市、東海村、美浦村、阿見町、利根町

【栃木県】 佐野市、鹿沼市、日光市、大田原市、矢板市、那須塩原市、塩谷町、那須町

【群馬県】 桐生市、沼田市、渋川市、安中市、みどり市、下仁田町、中之条町、高山村、
東吾妻町、片品村、川場村、みなかみ町

【埼玉県】 三郷市、吉川市

【千葉県】 松戸市、野田市、佐倉市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市、印西市、
白井市

■除染特別地域

【福島県】 楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村。田村市、
南相馬市、川俣町、川内村で警戒区域又は計画的避難区域である地域

これらの地域は、0.23μSv/hを超えているということを目安に、空間線量による汚染具合で
その範囲を決めていきました(那珂市は含まれていません。)

しかし福島の子どもたちを対象に行った甲状腺検査の結果から、
いま、事故当初の<ヨウ素による>初期被ばくが大変問題視されています。

これはセシウムの汚染具合から数値を出している空間線量ではなく、昨年3.11以降、
原発からヨウ素が流れてきていた時に、「どこへいて、何を食べていたか
(ヨウ素で汚染された野菜や飲み物などを口にしていないかどうか)」が重要になります。
よって、その点を考慮して設定しなければならず、ただ市町村ごとに区切るのが妥当で
あるか・・・ということも問題として出てきそうです。

年内に具体的な地域の決定と支援内容が決まる見通しのこの法案。
被災者支援法の対象地域の設定も、できれば現在の空間線量(=外部線量)のみで
決めるのではなく、より実態が把握しやすいよう、内部被ばくの影響も考慮して、
出来れば茨城県全ての市町村が対象になれば・・・と思います。