名古屋総合法律事務所 労務問題ブログ

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1 試用期間とは

4月は新入社員が入社する季節です。
試用期間制度は、採用した社員が適格性を有しているか否かを判定するためのいわば見習期間として、多くの企業が取り入れている制度であるかと思います。

この制度は法律上定められているわけではありませんが、会社が就業規則に定めることにより運用されます。
規則上には、「会社は都合により解雇をなしうる」「社員として不適格と認めたときは解雇できる」などと解雇権について明記されているのが一般的です。
つまり、解約権が留保された労働契約関係、これが試用期間の性質であるといえます。

2 本採用しないことはできるのか

では、試用期間内であれば自由に解約できるのかというと、そうでもありません

試用期間経過後の本採用を拒否した事例について、最高裁判所の判断(三菱樹脂事件、最大判昭和48年12月12日)では、通常の解雇よりも広い範囲で解雇の自由が認められると判断しながらも、その可否の判断については、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合のみ許される」としています。
この判断枠組みは、通常の解雇と同様のものです。

つまり、試用期間内であれば自由に解約できるのではなく、通常の解雇の場合によりも緩やかに判断されるといわれておりますが、解約に合理的な理由や相当性を求められているという点で、解雇にも等しい高いハードルが課されていると考えた方がいいでしょう。

3 本採用に踏み切れない場面に備える方法

使用者としても、採用内定を出した時点で本採用を見越している場合がほとんどではないかと思います。日本では試用(実験期間)としての期間というよりも、本採用後の教育訓練期間としての正確が強い企業が多く、その意味では通常の雇用期間中の解雇に近いものとして、本採用拒否が認められるのはなかなか難しいと思われます。

ひとつの方法としては、あらかじめ就業規則に「試用期間の延長」について、その可能性、延長事由、延長期間等を明記しておくことにより、試用期間を延長できるようにしておくことが考えられます。しかし、いつまでも延長するわけにもいかず限度があると考えられます。
また、採用前には部署を限定せず、一定の幅を持たせることで、試用期間で柔軟な配置をとるということも考えられます。
いずれにせよ、企業としては採用内定を出す前の段階で、慎重に検討したいものです。

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