●ジャマイカでのこと | 不思議旅行案内 長吉秀夫

●ジャマイカでのこと

 あの光は、何を伝えようとしていたのか? 僕はあの時、心身ともにリラックスしていた。しかし、それまでの3ヵ月間、僕はそれまでに無いほどの挫折感をあじわっていた。  実は、僕にとって、ジャマイカへ行く大きな目的があった。山川さんのエッセイに連動したCDの制作と、それに伴うツアーのプランを考えていたのだ。  それまでの3ヵ月は、その夢のようなプランを成立させるべく、東京中を駆けずり廻っていた。 「世界中の人が、音楽で繋がれたらどんなに素晴しいだろう。」 そんな思いから、『ママ・アフリカ』という、ピーター・トッシュの名曲をジャマイカのアーティストたちに歌ってもらい、ジャマイカを皮切りに、ニューヨークやロンドンやパリやタンザニアや東京で行おうという、壮大な計画だった。僕は、このメッセージとともに、多くの人と心を繋げたかった。純粋にそう思っていた。 (本文より)