いつも東京印を長戸勝彦を応援して下さっているお客様へ。

「TIME　TRAIN」ご観劇有難うございました。

お花に参加してくださった皆様

本当にありがとうございました！

毎日元気を頂いていました！

今回の作品は僕にとって挑戦でした。

何カ月も前からどうすれば皆に喜んでもらえる作品になるのか・・・

それを考えなかった日は一日もありませんでした。

もちろんそれは今回に限らずです。

毎回毎回どうすれば皆が楽しんで観てくれるのか同じように悩んできました。

しかし・・・今回は特別でした。

東京印の作品に必ず出演して支えてきてくれた日向や安藤も、

清水、安芸も今回は出演していません。

それでも東京印らしく、そしていつものように笑いと感動をどうやったら伝えられるのか？

悩み苦しんだ結果・・・今回の「TIME　TRAIN」という作品になりました。

お陰様で多くのお客様から好評を頂き、SNSや口コミなどの評判で、

回を重ねる度にお客さんがどんどん増えていくという何とも嬉しい現象が起き、

連日満員のお客様に観ていただく事が出来ました。

「こんなオッサンでも涙が止まらなかった・・・」

「一人一人にスポットライトが当たり、可愛く綺麗で胸に響く台詞に感動しました」

「俺・・男なのに劇場離れても感動がおさまりません・・」

「１回目より２回目・・・３回目と観れば観るほど感動が深くなる」

「芝居であることを忘れてしまうリアル感と、懸命に生きる素晴らしさを教えてもらった」

「言葉と演技力、台詞と感情、役者と演出が全員を生かして笑いと泣きを与えてくれた」

「女優さんだけの芝居だからどうなるかと思っていたけど、全てがカッコいい！」

本当にうれしい感想をたくさん頂きました。

しかしこの多くは初めて東京印を観て下さるお客様の声でした・・・。

東京印をずっと応援してきてくれた人達に、

これまで以上の何かを届けたいと思って頑張ったけど・・・。

きっと、必ず出演するいつもの彼たちがいない今回の東京印に

物足りなさを感じさせてしまったんだなと思っています。申し訳ありませんでした。

女性のお客様に届けたいと思って創ったけど、女性のきっと女性であるというリアリティに僕が勝てなかったのかなとも思っています。男性から見た女性の描き方になっていたのかもしれませんね？

だからなのかな・・・感動し涙が止まらなかったという声は圧倒的に男性のお客さんが多かったです。

作品の好き嫌いはお客様の自由です。その理由もさまざまで自由です。

いくら渾身の作品だと作る側が言っても、それを評価し決めるのはお客様です。

それくらいの事はこんな自分勝手な僕でもわかっています。

ただ・・前回よりも今回、今回よりも次の作品・・・そう思って僕は挑んでいます。

東京キッドブラザースの時代、舞台でこんな台詞を言った事がありました・・・。

「俺の夢は・・・次の芝居だ」この言葉をいつも思い出し頑張ってきました。

もちろんそれもこっちの勝手な想いでお客様には関係のない事なのも分かっています。

僕の作品の中で、げんせんじゃ～が一番好きというお客様もいれば、ネコ駅長の長い一日が良いという人もいるし、前回作品のあの春の約束を歩き出す君のためにが一番好きという人もいるでしょう。もしかしたら雨上がりのシアターという人も・・・・。

何度も言いうけどそれはお客様の自由だしお客様が決めていい事なんです。

批評や批判もお金を払って観に来て下さるお客様の自由なんです。

しかしこれまで僕を応援してくれてきたお客さんの反応が

「男の人が出ていないから観る回数を減らした」

「やっぱり女性だけというのは・・・東京印っぽくない」

「面白かったけど・・・皆が出ていないから・・物足りない」

正直に言います。この感想はとても寂しくて、僕自身かなりへこみました。

この作品の持つ優しさや愛をもっと感じてほしい・・・心の底からそう叫びたくなりました。

昔から僕を応援してくれてきた皆さんにはわかってほしい事があるんです。

東京キッドブラザース時代に柴田さんから長戸勝彦に主演が変っていったあの頃

「もうキッドじゃなくなった！」そう言ってキッドの芝居を観に来なくなったお客さんが沢山いました。「若くして主演？偉そうに！」陰でそう言われていました。バラエティー番組に出演し始めてからも「キッドの芝居を変えやがって！」「キッドは変わってしまった！」そう言われていました。

だから「いつか見てろよ！」という思いで頑張ってました。

もちろん観に来る来ないはお客様の自由だし選び批評する権利もあると思います。

確かに東京キッドブラザースは時代や役者と共に変化していったかもしれないけど、

全ての作品に共通し言えることは・・・演出家の東由多加がいたという事なんです。

それは何も変わらない東京キッドブラザースがそこに存在していたという事なんです。

そしてその時の僕を支えてくれ、応援してくれてたのが皆さんでした。

今でも劇場に足を運んで下さる皆さんでした。これまで一緒に歩んできたと僕は思っています。

その感謝の気持ちを忘れたことはないし、そんな皆さんが居てくれたから今の僕がいます。

そんな皆が喜んでくれればと、楽日にはいろんな事考えて変装して出てきたり、

少しでも話せる機会を設けたりと僕なりに感謝の気持ちを表すことも考えてきたつもりです。

・・・もちろん今回もそのつもりでした。

しかし、当日それをやれる気持ちでいられなくなってしまいました。ごめんなさい。

あの時のキッドと比べるのはおこがましいし、僕なんかは屁みたいな存在なのも分かっているけど、

時代や役者と共に変わろうと戦った東さんのように、僕自身も何かを変えて挑戦していかなければと思っているんです。だから「げんせんじゃー」も「ネコ駅…」も「あの春…」も「雨上がり…」も「TIME　TRAIN」も他の作品も・・・・東京印だし、僕自身なんです。

それを心で感じてもらえたら嬉しいです。

そして「俺の夢は・・・次の芝居だ」これを胸に次へと進もうと思います。

いつまでも同じメンバーで芝居を続けていくことは出来ないかもしれません。

またいつかあのメンバーで芝居をやります、という約束も今すぐは出来ません。

ごめんなさい・・・これは僕だけの問題ではないんです・・・。

自分の年齢を考えても、今のこのスピードでいつまで走り続けられるのか不安だし

いつまで芝居を創り続けることが出来るのか・・・それを考えた時に

これまでの自分を維持するのではなく、残りの演劇人生を力強く生き抜くために

自分自身が変り恐れず挑戦していかなければならないと思っています。

今年がその変化の第一歩だと自分も思っています。

そんな僕を、東京印を、今まで通り支えてくれたら有難いです。

生意気でいつも自分勝手な事ばかり言ってると思うけど一緒に頑張ってくれたら嬉しいです。

今回はご来場誠にありがとうございました。

これからもよろしくお願いいたします。

長戸勝彦

「TIME TRAIN」無事に終演。いつも長戸勝彦を応援して下さっているお客様へ。

「TIME　TRAIN」無事に終演。いつも長戸勝彦を応援して下さっているお客様へ。