乳児湿疹はアトピーとは違います。 |   東洋の知恵=鍼灸

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  鍼灸に携わって40年。東洋の医療について、少しお話ししたいと思います。

乳児湿疹はお母さんの手当てが大事です。


乳児湿疹は生後一か月くらいから、主に、口の周り、頬、額、耳の前後、頭に粟粒大の赤いぶつぶつが出来ます。

全く発疹の出ない赤ちゃんから、真っ赤にただれてしまう赤ちゃんまでいます。体質的にアレルギーを持っている場合にひどくなります。

皮膚科に行くとステロイドを処方されます。ステロイドで、きれいになって、再び湿疹が出なければ、それはそれで良いと思いますが、また出る様であれば、ステロイドは充分に注意して使って下さい。

乳児湿疹はアトピーとは違うので、通常は、半年もすればきれいになります。ステロイドを繰り返し使用すると、皮膚自体が弱くなり、接触性の皮膚炎から深刻なアトピーに移行する場合があります。

軽いものであれば、よだれや食べかす、汗などを放置しないで、その都度、微温湯で優しく洗い流すだけで良くなります。絶対に強くこすらない事。ガーゼよりも脱脂綿に充分お湯を含ませて、流す様に洗って下さい。乳児湿疹は、こすったり、引っ掻いたりしなければ、ひどくなることはありません。

乳児湿疹は、かゆみはあまり強くないのが普通ですが、常に掻きむしるほど痒い場合は漢方薬(治頭瘡一方など)や抗ヒスタミンの服用も考えます。それでも収まらず掻きむしり、皮膚の損傷がひどくなる場合はステロイドの使用も、やむお得ません。充分に注意して使って下さい。

湿疹は、対処の仕方が一人ひとり違います。石鹸で洗うと良くなる場合悪くなる場合、食事が関係する場合、ダニやほこりに反応する場合など、乳児湿疹もその赤ちゃんにとって、何が一番いけないのかを、よく観察して下さい。

一般的には、風邪などで薬を飲むと悪くなります。熱いお風呂、界面活性剤(洗剤や乳液などに含まれる)、お母さんのカロリー過多の食事(母乳の質が影響します)、便秘などで悪化します。

いろいろ頑張っても、いまいち良くならない時、アレルギー体質を受け継いでいそうな時、そんな時には小児鍼をして下さい。アトピーになっていなければ、通常、2~6回くらいの治療で目に見えて良くなります。


右 生後1~8ヶ月までで、便秘気味でおならがよく出る赤ちゃんの乳児湿疹には“マクリ”が効きます。マクリは甘連大黄紅花湯の事で、昔は生後すぐに服用させ、胎毒を下しました。

右 私は不妊症の治療もしますが、授かった赤ちゃんには皆、この薬を勧めています。緑黒色の便が大量に出ます。新生児黄疸が少なく、肌がきれいで、疳の虫が起きにくいと感じます。

(参考) 小児のアトピーとステロイドについて

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