おなかが痛い時のお母さんの手当て |   東洋の知恵=鍼灸

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  鍼灸に携わって40年。東洋の医療について、少しお話ししたいと思います。

おなかが痛い時のお母さんお手当


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小さな子が「おなかが痛い」と言う時には、本当に腹部が痛い時と、何か他に不快な感じがする場合とがあります。


~甘えたい時~

大好きな遊びに誘ってみましょう。そちらに気が行って、元気に遊べるなら、まず、心配はいりません。

あまり乗って来ない時には、何かしら具合の悪いところが有るはずです。激しく泣いたりせず、何となく、ぐずぐず言っている様な時は、手の平かドライヤーで、お臍の辺りを温めてみましょう。ほとんどの場合はこれで治まります。


右  激しく泣いて、すごく痛がる時には、もう少し手当てが必要です。いろいろな場合が考えられます。


~ガスがたまった時~

生後三ヶ月ころの赤ちゃんで、夕方から夜にかけて、特に原因も無く、激しく泣く時はうつ伏せにしてみて下さい。治まる様なら、腸管に溜まったガスが原因の腹痛です。


少し大きくなった子供の腹痛は、まず便秘を疑います。便秘をしていると、ガスがたまって腹が張り、苦しくなります。


子供を仰向けに寝かせ、立て膝にして、おなかを緩めて軽く探ってみると、左下腹部に、ころっとした便の塊を触れます。


浣腸が早く簡単ですが、急性の虫垂炎、腹膜炎では悪化するので、よく見極めてからにして下さい。


一番良いのは、便秘気味の子には、普段から便通のつく食物を見つけておくことです。皮付きのすりおろしリンゴ、バナナ、えのき、ゆであずき、納豆、プルーンなどがあります。


朝一番に水や牛乳を飲むと、よく通じをつけますが、おなかの痛い時はよけいに痛くなりますから、やめておきましょう。運動不足でも便秘になります。



~食べ過ぎた時~

食べて少し経った頃、おなかが痛くなります。これは吐いてしまえば、すぐ楽になりますし、時間が経過すれば自然に治ります。



~冷やした時~

夏によくあるのは、おなかを冷やしたり、脂っこい物を食べた後に冷たい果物などを食べると、猛烈に痛くなる時があります。

前日からの食べ物を思い出してみると、思い当たる事があるはずです。基本的には、おなかを温める事で対処できますが、軽い痛みの時よりも、充分に温めます。

冷たいものをいっさい止めて、温かいお粥を食べさせて様子をみて下さい。日本の子には、うどんやパン粥よりも米のお粥が、断然良いです。


あとは、貼るカイロが良いと思います。低温火傷に気を付けて下さい。熱くてはだめです。ふわっと、温かいくらいが良いでしょう。




右  ほとんどの子供は、時々おなかが痛くなります。大抵は熱が無く、一時的で、治った後はケロッして遊んでいます。


よく観察していると、どんな時に痛くなるのか分かります。やたらに心配して、子供を不安にしない様にしましょう。



右 心配な腹痛

1. 熱がある。


2. 下痢便で、血液や粘膜が混じっている。(赤痢など伝染性の病気)


3. 食べた物を全部吐いて、激しく泣く。(腸重積、急性腹膜炎、嵌頓ヘルニアなど)


4. おなかの一部分が、ぷくっと膨れている。(ヘルニア)


5. おなかがパンパンになっていて、軽く触っても痛がる。(急性腹膜炎)


右 急性虫垂炎


幼児にはめったに無い疾患ですが、進行が早く、破れて腹膜炎になる事もあります。元気だった子供が、急に元気がなくなり、お臍のあたりが痛いと言います。


腹痛の原因に思い当たる事が無く、微熱と嘔吐があり、痛みが徐々に強くなって、最終的に右下腹部に痛みが出れば疑いがあります。


只、虫垂炎特有の症状が出ない場合もありますので、痛みがどんどん強くなる様であれば、外科に行ってみて下さい。


右 アレルギー性紫斑病


2~10歳の子供に多く、腹性紫班病といわれるくらい繰り返し腹痛が出ます。特徴は下肢に紫班病特有の出血班が出るので分かります。



このような時は、専門のお医者さんに診てもらってください。


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