本部御殿手では他とは異なる特徴があり「蹴り」にもその特徴があります。
蹴りのいくつかを紹介しながら少し解説を試みたいと思います。
これは本部御殿手の「3本突き」と呼ばれているものです。
両手の突きと蹴りを同時に出すので、そう呼ばれており軸足は爪先立ちになっていて
身体は軸足1本で支えて残りの両手と片足は攻撃に向かいます。
Hさんは重量級だが、良い3本突きをしていましたね。
これはT君が3本突きをかわしたところです。
これは直蹴り(ちょくげり)という蹴りです。
この蹴りは左写真のように普通の歩きから前進する勢いで蹴りを出します。
見てわかるように頭から足までが一つの線になっていて上体が後ろに反りません。
これは棒蹴りです。足を棒のようにして行う蹴りです。
蹴りと同時に相手の顔面を攻撃しなさい、と先生に教えられました。
これも軸足1本で体を支えて両手と片足を同時に使います。
この映像では先生は私に剣を持つ相手の腕を棒で打つと同時に蹴りも出せ、
と仰って指導なさっていました。
つまり本部御殿手の足(蹴りや爪先立ち等)は武器術までの動きが考えられて作られているのです。
だから、通常の空手のような足を曲げる”しこ立ち”を行わないのです。
私の御殿手の稽古は、まず歩く練習から始まり、突きや蹴りの練習はしないまま
直ぐにヌーチク・剣(一刀・2刀)取手の練習を同時に初めて、そののちに蹴りの稽古をしました。
ひょっとすると武器術が先にあって、そこに到達するために素手術が構成されたのではないか、
と思うときもあります。
本部御殿手は上原先生によると朝勇先生が「戦手 いくさでぃだ」と仰ったと云われていますが全体像や技の結びつきなどを考えるとその所以が分かるような気がします。