【告白】 著者:町田康 | 勝手に書評

【告白】 著者:町田康

書名:告白 著者:町田康



【一言評価】
圧巻!阿呆の熊太郎に自分を見出してしまった

【こんな方にお薦め】
コミュニケーションの限界
常日頃、心中を言葉で現せない方
知り合いにどうしょうもない阿呆がいるって方
面白い本が好きな方

【管理人感想】
最初から最後までかなり面白かった。ユーモラスであり深い。
1ページ目からかなり引きこまれた。というのも私の近くに主人公の熊太郎のような阿呆がいたからで、前々から「こいつは何故こんなどうしょうもない奴なんだ」と思っていたのが引きこまれた理由かと思ったが、どうもそればかりではない。
この「告白」を読んでいる時に別の人に「これ面白いで」と言って少し読ませるとアヤツもはまっていた(笑)どうやら著者町田さんの文体が引きこまれた原因のようだ。
ブッ!と思わず吹き出す箇所満載で、前半こそ主人公の阿呆さ加減にムカムカしていたが読むにつれて馬鹿にできなくなってきた。阿呆の熊太郎のある部分に自分を見出してしまった。
ある部分とは、「自分の心中を言葉で現せない」事が多いという部分。
これは熊太郎のように、
1「自らの思弁を的確に表現する言語を持ち合わせていない」や
2「相手に対して突っ込みどころが多過ぎてどこから突っ込んだらいいのかわからなくなる」 という事もあるし後はまぁ、「反論を許されない家庭に育った」のもある(これは本書に関係ないな(笑))

では、この1からみてみよう
1の「自らの思弁を的確に表現する言語を持ち合わせていない」のをどう改善すればいいのだろう?
本を読だりして言語の幅を増やしたり、誰かとしゃべって練習するしかないと思うな。どうだろう?
続いて2だけど、これがやっかいなのよ
「相手が無茶苦茶言う」という状況に遭遇した事あるかな?
これね・・・ほんとにね・・・もうね・・・
分からなくなるのよ・・・辻褄合わない言葉を立て続けに言われたらね、もうね・・・相手の言い訳や質問が覚えられないのよね・・・
何の脈絡もない数字の羅列を覚えろと言われているようなものでね・・・。
本当にこれは困る・・・がっくりと肩落ちるからね・・・。

この本を読んでこれら問題を解決できる答えがあるわけじゃないけど、
そおおおおなのよおおおおっっって共感できる所イパーイ。
この共感できるところを文字でうまーい事表現しているところを見るだけでもかなりお得☆
そんなのには興味ないよって方でも、すっごい面白いからーかなりお薦め!

あぁー、このヘタッピな書評がもどかしい(苦笑)

<参考>
町田 康
告白