先月ピーター・フォークさんが亡くなり、
追悼番組として再放送された「刑事コロンボ」を3夜連続で見ていた夫。
出勤時間が早いので前の晩にはなるだけ早く寝ることにしているのだが、
これだけは最後まで見るのだ・・・と、有言実行。
がんばって起きていた。
「コロンボ」だけは日本語吹き替えではなく、
やっぱり本人の声の方がいい・・・・といって、
英語バージョン、しかもアメリカ西海岸特有の英語を聞いていたのだが、
夫ときたら、途中からリモートコントロールのボタンを日本語に変えたり、
また英語に戻したりして、なんだかソワソワ。
一緒に見ていた妻は、
落ち着かなくて楽しめないじゃないのよ・・・・と文句を言った。
すると夫は、ストーリーが終わるやいなや、
フランス語吹き替えの方が耳になじんでいるから、
若いころにパリで見ていたコロンボの方が良かったな・・・・とつぶやいた。
フランス語を話すコロンボ刑事・・・・・と、
思いもよらぬ夫の言葉に、ちょっとうろたえる妻。
このオトコはいったい、どこの国の、なに人やねん。(笑)
ま、確かに、多くの国々で放送されている人気ドラマ番組だったから、
フランス語に吹き替えされているのだってあるだろうが、
なんだかピンとこない、妻。
そのむかし、知り合いが
ユダヤ語(ヘブライ語?)で吹き替えされたのを見たことがある・・・・と
言っていたことがあり、
さもありなん、
何しろピーター・フォーク自身がユダヤ系なんだから、
そっちのほうがむしろしっくりくるやろうなぁ・・・・と
なぜか納得したことがあったけど。
それじゃ、
「ウチのかみさん」っていう名セリフは、
フランス語バージョンではどーなっているの・・・・・と、妻。
「うーん・・・・・特に・・・・なかったような気がするなぁ・・・」
と、なんだか面白くないお答えをよこす夫。
以前、衛星放送の特別番組で、
翻訳者がなぜ「ウチのかみさん」という言葉を採用したのか、
日本で放送されるまでの経過やエピソードなどを、
初めてテレビカメラの前でお話しされていたことがあったのだが、
コロンボのあの独特の言葉遣いがなければ
犯人との乱闘シーンや、ガンでの撃ち合い、カーチェイスなど、
派手なシーンが一切ない外国の刑事ドラマが
日本でこんなにウケることがなかっただろうな・・・・・と
思わされる。
それに、コロンボがまるで口癖のように言っている「カミさん」は
絶対に画面には出てこないのだ。
コロンボと一緒に豪華客船でのバケーションに出かけても、
どんな女性なのか、後姿ですら出てこない。
そんな不思議なところも日本のファンが増えた理由のひとつかもしれない。
今のところ、外で夫は私にことを「妻です」と紹介しているが、
いつの日か、「ウチのカミさんです」に変わってしまうような気がする。
ま、いい。
コロンボのように愛妻家になっていてくれさえすれば・・・・・。