田部京子さんによる吉松隆さんの「プレイアデス舞曲集」はどの曲もしっとりと歌っていて、何かをしながら聴くのにうってつけです。

一方で、パスカル・ロジェによる演奏はどの曲も考え抜かれた演奏で、じっくりと聴きたくなります。

 

交互に演奏されているサティは節回しが気になるところがあり、あまり好きな演奏ではないけれど、プレイアデス舞曲集はどれも素敵です。磨き抜かれた音色に説得力のあるテンポ。そして、考え抜かれたペダリング。舞曲のリズミックさはありませんが、美しい演奏としてはこれが一番かもしれません。特に、光の当たり具合によって趣を変えていく風景が目に浮かんでくるような「夕暮れのアラベスク」がお気に入りです。また、すべてが幻であったかのように儚く消えていく「静止した夢のパヴァーヌ」で終わる構成も良いと思います。

 

現代美術とのコラボレーションよりも、満天の星空の下で聴きたい演奏です。

 

曲数も十分です。

http://classic.blogmura.com/ranking.html?p_cid=01508538