演劇
有料チャンネルに契約すると舐め回すように番組表を見て、ちょっとでも気になった番組は必ず録画をします。一応録るだけ録って、見るか見ないかはその後に決める。某チャリ漫画ドラマ化に軽率にホイホイされて契約したスカパーで、面白そうな番組を見つけたので録画して見ました。劇団四季創設者の浅利慶太さんのインタビュー番組です。といっても、30年くらい前にNHKで放送したものをまとめて再放送してみました!な番組。だけど、これがめちゃめちゃおもしろかった。四季の生い立ちについてはほんの少し知ってたけど、浅利さんの演劇全体に対する持論を聞くだけの番組はとても魅力的で勉強になりました。もうなんか、心に刺さる言葉ばっかり。ずっしりとした言葉の重みでした。まず、序盤で仰った「ダメな俳優ほど結果を急ぐ」。わたしは役者でも何でもないし、私ごときにこの言葉の意味するものすべてがわかるわけなどないけれど、俳優さんを応援する身としてドキッとしました、、、四季の経営についてお話しを伺っていると、浅利さんは演出家というかもはや経営者ですねという話になり「そうですよ、チケットは商業ですから」と。大衆は英知に満ちているものであって、そう愚かにお金を落とさないものであり、大衆が選択したものは正しいと思っていいのでは?とのこと。そうか………良くも悪くも、客が金を落とすっていうことは、それは良い作品だということ。また、観客の歓声無くして、役者も裏方も食ってはいけないと仰る浅利さん。これは物理的に飯が食えないということにも取れるし、精神論とも取れる気がした。そして、その歓声を浴びるためには、ときには流行に屈さなければならないこともあって、これは偉大なる屈辱であり「演劇という世界の謎を解く鍵」だそう。まさに、今でいう2.5次元かな…この界隈に物申したいひとはたくさん居ると思う。単純に、オタクが釣れて稼げるから?溢れるほど居る俳優(役者)が食い繋ぐため?言おうと思えば、いくらでも良くない言い方はできる。うまくいったからもういっちょやってみっか!ってどんどん大きくなって、流行って、創るほうも観るほうも味占めちゃって、屈さずを得なくなってしまう。全部引っ括めて、これだけ乱立するってことは「良いもの」だということ。あまりに次々公演が決定するもんだから、各々の2.5次元作品の価値が微妙になってしまうような気がしていましたが、なんだかちょっとだけモヤモヤが消えたような気がしました。2.5次元は「演劇界の謎」ってことなのかな…?わたしは、舞台のオリジナル作品ももっと観たいけれど。他にもほぇ~~~と思うことをたくさん仰っていたのだけど、なんかもう、演劇つくるひとすごいなーと終始脳が活性化されてる感じでした(?)あまり作り手のことばかり考えて観てしまっても良くないと思うので、いい塩梅を考えつつ、これから芸術作品を見るときは、より深いとこまで感じられそうです。