日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき

心理カウンセラー衛藤信之があなたに届けるメッセージ。



テーマ:
 恋愛が失敗するタイプ。仕事でトラブルが続出するタイプ。

 この二つの共通点は「相手と自分の立場の違いが理解できない」人に多いのです。


 「明日、衛藤さんにカウンセリングお願いしていますが、僕のことがすべて分かると思うので、日記を送ったので、しっかりと明日までに見ておいてと伝えといて」とスタッフに伝言して、2年分の日記を送ってくる相談者がいます。自分にとって「時間がある」という現実と、カウンセラーにも「時間があるだろう」という非現実が結びついてしまうのです。


 また「今すぐにカウンセリングをして欲しい」と事務局に依頼がくる。「こちらのカウンセリングは予約制なのです。緊急のご用件とは?」と応じると「そちらのカウンセリングルームから、私の自宅は10分も離れていないんだ💢」と怒りだす。自分が近いから、そちらも「すぐにでもカウンセリング出来るだろう」と理屈に合わないことを理屈にあっているように主張してくるのです。


 仕事でも、仲が良い二人が仕事を共同経営でスタートした。一方はサイドビジネスとして、一方は命がけの出費で人生かけての再スタートとして、この二人の間には「仕事にかける思い入れ」には違いがあります。それを理解したうえで共同経営をスタートしないと「仲のよい関係」が「最悪の関係」になることもあります。


 結婚式で、新郎・新婦の共通の友人が「結婚式の出し物を協力するよ」と言ってくれた。仕事で友人が打ち合わせで遅れたとします。
 「ありがとう。仕事が忙しいのに来てくれて」とねぎらい感謝する新郎・新婦と、「お前は真剣に、俺たちの結婚の出し物を考える気があるのかよ💢」と友人を責めるタイプがいます。
 自分達の「一生に一度の結婚式」への思い入れと、友人の「できる範囲で手伝うよ」には、思い入れに違いが存在するのです。


 自分の立場と相手の立場は違う存在です。そこを理解するのが大人の関係です。メンタルでは「親しき仲にも離別感」と言っています。


 自分には時間がある。愛する人には仕事に追われて時間がない。毎回、ラインを送って、自分と同じような返信の数が返って来ないと「愛がない💢」と攻撃的になる人がいます。そして、泣いたり、わめいたり、自分の思う常識で、相手にその常識を押しつけると、愛情は「重いだけの関係」になってしまいます。


 つねに恋人に気をつかい過ぎるのも心理的に問題があります。がしかし、恋人を自分の常識に取り込んで、一体感が強くなると「すべてが当たりまえ」にり、相手の立場や状況を理解しなくなると、愛情はやがて憎しみに変わってしまいます。


 職場でも、友人にも、家族に対しても、自他分離がなく、一体感だけを要求すると「相手は~してくれてあたりまえ」「相手が~これくらいはしてくれるよね」となり、感謝やねぎらいがなくなります。親しくなればなるほどクセのように幼児的な感情が強くなる人がいます。他者は自分ではないから「あたりまえ」は、何一つないのです。


 ある会社のことで相談者が烈火のごとく怒っている。話しを聴いてみると会社が自分を特別に対応してくれず、他の人と同じ扱いを受けたのが許せないと言うのです。
 「自分が時間を作って出向いたのに、自分を採用しなかった💢」とか「自分の話しを聴いてくれなかった💢」「アポイントが必要ですと言われた」そこで気になって「約束はしていたの?」と、こちらが質問すると「そんなものは必要ない。話しを聴いてくれたら僕の才能がわかる💢」と怒りだす。
 他の人と自分を同じように対応したことが、その人には許せないのです。その会社にとって自分が優先順位の上位でなかったことが許せないのです。


 トラブルを作ってしまう人の特徴として「いつも自分をスペシャルに扱う」ことを過剰に求めます。それほどに自己愛が強く「人にはそれぞれに大切なものがあり優先順位がある」ということが頭では理解できても、心では納得できない。自分のことに意識が向きすぎて、他人の立場には恐ろしく無関心なのです。


 ストーカーになる人も「自分が愛している」という事実だけが現実の中心になり、相手には家族や友人がいて、そちらが自分より優先順位なのだということが理解できない。いや、認めたくないのです。
 それほどに自分への自己愛に圧倒されてしまい、人の気持ちを考えることができません。しかし、自分ほどに愛の人はいないと強く信じてしまっているからトラブルが起こってしまう。


 ナルシシズムは自己愛と訳されていますが、自分の愛だけに視野が限定されてしまい、他人の自由や考えには恐ろしく無関心になってしまうのです。


 友人にリップグロスを買って来て「あなたが欲しがっていたから買ってきたわよ。1万円ね!」「そんなにするの?」「なによ💢あなたのために買って来たのに💢気にいらないの💢」
 「高額の商品を買う時には、相手に確認したほうがいいかもしれない?」という思いがない。自分の「親切心」に圧倒され消えてしまうのです。そして、第三者に「私は相手のために、こんなにしてやったのにさ~」と別の場所で、自分の愛だけを強調をして、相手を引き下げてしまう。それが愛のない行為だと考えもしないで…


 こんなタイプの人が、ボランティアに走り出すと、自己愛だけに意識が向き、他者が協力しないことが許せなくなります。どこまでいってもボランティア活動は「自分がやりたいからやる」のが精神です。「素晴らしい行為だから、すべての人が私に協力すべき」となると、愛から始まった素晴らしい行為が、他者を攻撃して周囲を焼け野原にして、なにも後には残らない結果になってしまいます。日本ではボランティアのNPOがたくさん生まれ、消えていきました。その背景には一体感やナルシシズムが潜んでいたのでしょう。


 「私」と「相手」は違うのだという距離感覚が、何よりも大切な時代です。


 親しき仲にも離別感ですね。









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