日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき

心理カウンセラー衛藤信之があなたに届けるメッセージ。



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 成人式がありました。

 大人になることは、甘えられる存在から卒業をすること。世界の中では、そういう儀式です。

 インディアンの儀式の中には、山に独りで入り、孤独の中で「自分がどういう存在で、自分にはどんな使命があるのか? 」を、自然界に訊ねるビジョン・ク エストという儀式があります。
 世界には、たくさんの通過儀礼があります。アリの巣に放り込まれて痛みに耐えたり、どう猛な動物と独りで戦うことで一人前と認められたり、バンジージャンプも、元は恐怖を克服するための成人式でした。

 我が国、日本の成人式をふり返ると、七五三のように、親に多額の衣装を用意させ、お酒が解禁されたと大騒ぎする若者も少なくありません。こう書いているのは「今の若い者は…」という、お説教をしたいわけではありません。僕自身の時代を省みても、それほど大差はないからです。

 これは新成人の若者側に問題があるのではなく、成人式の本来の意味を問い直そうとしない大人たちや、社会に問題があるからです。
 成人式として、国として祝ってあげても、大人になる意味を、それぞれの家庭で大人達が、一人ひとりの目を見て語る必要があるのでしょう。

 僕は「何かをもらうパワースポットに行くよりも、自分自身が歩くパワースポットになって、誰かにエネルギーを与える側になろう!」と講座で話してきました。

 僕自身が「すごいなぁ」と思い、時より話題にする「歩くパワースポット」の一人が博多に居ます。
 前にもこのブログで紹介したことのある、JR博多駅、警察の木林さん。
 博多駅のコンコースで、大きく優しい声で「気をつけて行ってらっしゃい!」「お仕事、ご苦労さまです!」 帰宅時には「気をつけてお帰りなさい!」「お疲れさまでした!」1日9時間も脚立の上に立って声をかけるのだそうです。僕が通ると憶えてくれていて「エトウ先生、こんにちは!」と声をかけてくださる。

 その木林さんに、憧れた女子大生のことが新聞に紹介されていました。

 その女子大生は、高校時代にひき逃げ事故に遭い、すぐに警察が容疑者を特定し、検挙してくれたそうです。その時の警察官の人たちが頼もしかったので、警察官になることが彼女の夢になりました。

 電車内で痴漢に遭った時も、悔しさと怖さで涙が止まらない彼女の話を聴いてくれて、そんな彼女の悔しい思いに共感し「次の被害者が出ないように!」とパトロールに飛び出して行く警察官の後ろ姿に、彼女の警察官になる憧れはさらに強くなりました。

 でも、女性である自分が「どんな警察官になれるのだろうか?」と不安に思っていた二十歳の時に、博多駅のコンコースで、多くの人に無視されても一人ひとりに、大きな声で挨拶を続ける木林さんに出会った。挨拶した子どもに「ステキな挨拶だね」と脚立から降りて頭をなぜていたり、通行人から「お疲れさま」とアメを差し出されると「ありがとう。いただきます!」と差し入れを笑って気さくに受け入れる。誰に対しても、抵抗も、かまえもない姿を不思議に思ったそうです。今までの強い警察官ではないイメージに…

 思い切って木林さんに声をかけた。「なぜ、挨拶をしているのですか?」木林さんは笑顔で「平和な世の中を目指しているからですよ」挨拶が、平和な社会?と彼女はその答えに驚いた。
 
 木林さんは彼女にこう続けた。「挨拶は人の心を穏やかにするのです。挨拶された人が挨拶を誰かに返す。その嬉しさを、また、別の人に返す。そうすることで、みんなが明るい気持ちになれば、犯罪のない社会につながると…」

 その成人の時に出会った、木林さんがモデルになり、彼女は13.4倍の狭き門を突破して、晴れて女性の警察官になれました。

 そのことを憧れの先輩・木林さんに報告するために博多駅のコンコースに出かけた。そして、彼女は「力強い警察官ではなく、人に元気と安心感を与えられる警察官になります」と宣言しました。それに対して木林さんは「原点を忘れず、頑張って。私も第一線で待っていますから」と激励したそうです。(西日本新聞より)

 僕たち大人達が、何を新成人に伝えられるか、人生の先輩として、誰かの憧れる1日に今日もしたいものです。

 さぁ、胸を正し、笑顔で「行ってらっしゃい!」歩くパワースポットになるために!



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