日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき

心理カウンセラー衛藤信之があなたに届けるメッセージ。



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 有名な話にコップに水が半分入っている時に「半分もある」と楽しめる人と「半分しかない」と不安になる人がいます。


 現実は何一つ変わりません。これが目の前で起こっている事実なのです。人生を楽しむ人は「あるもの」に心が向く性格です。でも「ないもの」に、すぐに心が向き気分が落ち込む人がいます。



 睡眠が少なくても「『0』よりも眠れた」と思える人と「睡眠が少ない」とイライラする人がいます。
 この睡眠が少ないとイライラする人は、自分の理想とする睡眠時間があり、そこからマイナスに心が向くタイプの性格です。


 完璧主義の人は、睡眠にも、仕事にも、上司にも、現実にも、完璧を求めます。その完璧も自分の望む完璧だと言うことを忘れて…


 何かをやろうと思うと気分の不調に心が向く人がいます。


 「気分が不調だから何もできない」「時間がないから本が読めない」「体力がないから運動できない」と不調に焦点があたって、何もしないで時間を過ごす。でも、完璧症だから、何も動かなかった自分も許せない。だから、また、さらに落ち込む。その結果、さらに気分が不調になり「不調だと何もできない」とさらに思ってしまう。このような「完璧主義者」は、さらに何もしないで過ごした時間に心が向けられる。さらに悔やんでイライラして腹がたつ。そうすると、すべてに不満になってしまう。


 なぜ自分に出来なかったこと、何か欠けているところが気になってしまうのでしょうか?


 それが、「完璧症」の正体です。


 どうも今日は睡眠不足だけれど、睡眠不足は睡眠不足なりに仕事をすればいいのです。でも、完璧症の人は「完璧な睡眠をとらなければいけない」と思うから、睡眠の足らなさに意識が向くのです。
 心が健康な人は「調子が悪いなぁ」と思いながらも調子の悪いということを認め、現実を受け入れて、やれる仕事だけを「My best.」でこなしてゆきます。でも、不安な完璧主義者の人は「The best.」でないと自分が許せません。


 毎日毎日、絶好調な日々などは存在しません。毎晩毎晩、完全な熟睡などもありえないでしょう。毎時間毎時間が、有意義に過ぎて行くことも起こるはずもなく、毎月毎月が、幸運に恵まれた月なども存在しない。さらに、いつも頭が冴えわたり、身体が不思議なほどに軽やかに動くこともありえない。
 それが「現実」というコップの水です。


 現実は、上司は思ったほどに自分の努力を評価はしてくれないし、待ち人は時間どおりに来るわけもない。自分の描いたように予定どおりには進まないし、親は完璧な愛情に満ちた親たちでもなかった。


 こんな不完全な世界の中で「完全じゃないと許せない!」と思って生きている完璧症の人は、心の中は怒りと不満でいっぱいになっています。だから、理由もなく憂うつになります。
 憂うつの正体は、自分の中にある攻撃性だと心理学では言われています。


 「思うようにならない現実」に「世界は自分の思うようになるべき」と思って生きていると、この現実に不満をもちます。でも、この世界なしでは人間は生きられないのですから、攻撃性は自分に向かうと「憂うつ」になり、外に向かうと、誰かを「攻撃」したくなります。


 仕事を辞める時に「辞める」か「辞めないか」は自分の問題です。自分の決断です。


 でも、会社を辞められないのは妻がいるからだ。生活があるからだと奥さんにブチブチ攻撃する人がいます。自分の思い通りにならない人生で、心に怒りがあるから何かのキッカケで立場の弱い人に攻撃的になってしまう。


 でも、これは自分の思い通りにならない自分に対するイラだちで、それを認めたくない、自分を見たくない人は、自分の不決断、自分の思うように進まない現実へのイライラを誰かを攻撃することで、自分自身を誤魔化してしまうのです。


 何かをする時にはリスクもあるけれど、メリットやリターンもあります。動けないのは「完璧症」だからです。


 Aを選ぶとBが得られない。Bを選ぶとAが得られない。どちらかを選択する時に、失うこともあるけど、得られることもあります。でも、AもBも得たいと思う完璧症だから選べないのです。「どちらも得たい!」「得られないと許せいない」と思ってしまう完璧症だからこそ何一つも選べない。


 そして時間だけが過ぎ去ってしまう。その時間が過ぎたことも「完璧症」だからイライラします。またそれで眠れなくなる。「完璧症」だから、眠れなくなったことに不満を感じて怒りをためる。そこに何かの思うようにならない現実が起こると「このせいだ!」と自分の不調の悪さを誰かを攻撃することで、自分自身を見つめ、自分を鋭く冷静に洞察することから遠ざかって行く。


 そう、怒っているうちに、いよいよ悪いのは自分ではない、相手が悪いのであると思い込みのシステムが完成します。だから、その人は慢性的に現実の出来事に不機嫌になるのです。


 それが、親であったり、上司であったり、指導してくれない師匠であったりと不満になり、いじけたり、悪口を言ったり、攻撃したり、仕事を辞めてしまう。


 そんな完璧症の人たちは、いつも自分に語るべき治療の言葉があります。


 「この世界は自分の思いどおりに設計されてはいない」
 「相手によって傷ついたのではない。自分の思い通りにならない現実に自分が勝手に傷ついている」


 そして、その不完全な現実に「自分には耐える力があるし、そんなことは『どこ吹く風で』私は思うようにならない現実をも、きっと楽しめるタフな大人になる」と、事あるごとに自分に言い聞かせることです。


 もう一度言います。同じ「出来事」に対して、執着してイライラしているのは皆がそうなのですか?あなただけですか?


 これが現実を知るための道標になります。


 ほら、あなたの隣に同じ出来事を愉しんでいる人がいますよ!











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