昨日も一昨日もその前もずっとそうであったように、
俺はうんこをするために便器の蓋を開ける。
しかし、今日ばかりは何やら様子がおかしい。
水とこびり付いたうんこカスしかないはずの便器の中に
異空間が無限にどこまでも広がっている。
ウルトラシリーズのオープニングのような、
絵の具を全部ぶちまけたような、
サイケデリックなマーブル模様の中に、
ダリの絵のような歪んだ時計が無数に存在している。
そこに一畳くらいの大きさの乗り物とも機械とも見える
不思議な物体が浮かんでいる。
その謎の機械には数字が並ぶカウンターが付いており
そこには、
「1990.01.01」
と表示されている。
ははぁ、これはタイムマシンだ。
猫型ロボットの姿は見当たらないが、
その機械は確実に俺を過去へと誘っている。
俺はレントンよろしく、
便器にズルリと潜り込む。
バンマス高橋くんからseventeenバトンが回ってきた。
連夜のバトンだが、
特に書かなければならない事がある訳でもないので、
やはり受けてみようと思う。
読者の皆さんも辟易されているかもしれないが、
宜しければお付き合い下さい。
その1・「17歳の時何していた?」
何をしていた、と言われれば、
今と同様何もしていなかったような。
猛烈に勉強をしていた訳でもなく、
熱心に部活動に励んでいた訳でもない。
かといって、喧嘩と女に明け暮れる不良な訳でも当然なかった。
授業中は、延々机やノートに落書きをしていた。
現国の教科書を見ながら机に模写した岸田秀や柳田国男は、
数人だけには爆笑を取ったものである。
しかし、結果的にではあるが、
それが飯の種みたいになってんだから人生上手く出来ている。
部活もバレー部に所属はしていたが、
一度も試合に出られない劣等部員であった。
中高合わせて6年間バレーをしてきたが、
ただの一度もだ。
高校時代の部活は殆どエクササイズ程度にしか
考えていなかったように思う。
特に行く場所が無いから体育館に居ただけだ。
だから、観たい芝居やテレビや北野誠のサイン会などがあれば、
当然そっちを優先していた。
キャプテンも俺には何の期待もしていなかったのだろう、
芝居を観に行くので休む、と言っても、
快く了承してくれた。
結局、バレーボールという競技は俺に大した影響を与えなかったが、
それをさぼって観に行った芝居や映画、
そして、AMラジオやテレビの深夜放送には
多大な影響を受けることになる。
サーカス団パノラマ島に帰る。
その頃の俺のBGM。
大槻は正しくヒーローだった。
筋少はこのアルバムからメンバーも替わり、
アングラ世界をメジャーに持ち込むことに成功する。
本人達もどんどんメジャー感を身に纏うのだが、
今となってみれば、それは良かったのかどうなのか。
アルバムとしては、非常に暗く閉塞感に包まれており、
なにやら必死な雰囲気も感じられる。