名古屋めし(名古屋市) | 日本一周(分割)自転車紀行

日本一周(分割)自転車紀行

2010年、MR4F(折りたたみ自転車)で突然西へ。
東海道、山陽道、山陰道を駆ける。

そして2年後、再び自転車に跨る…

ただし、自転車走行ではなく自転車旅行。
観光も食事も目的だし、宿泊はホテル。
普段は自転車に乗らない。

これでも日本一周できる…のか?


名古屋市は、伊勢湾の一番奥の海沿いから
庄内川に覆われるようにして広がっている。

国道1号が走っているのは、
名古屋市街の南側の海寄りでこのまま西に進む。

ゆえに名古屋駅を目指すには途中で北に向かうことになるが、
その起点になるのが熱田神宮だ。


熱田神宮は天照大神を祀り、
まもなく創祀1900年を迎える歴史ある神社。

信長が桶狭間の戦いの前に戦勝祈願したことでも知られ、
宝物館には数多の宝が所蔵されている。


敷地はかなり広く、緑で溢れている。

思わず自転車を置いて立ち寄り、
しばらく境内を歩く。


途中に茶店風の飲食店があり、
看板を見ると「宮きしめん」と書かれている。

きしめんといえば名古屋の名物のひとつ。
名古屋に来たからには食べておきたいもののひとつだ。


熱田神宮でいただくきしめんは格別。
何しろ環境が素晴らしい。

相変わらず日差しは強く暑いが、
木々に囲まれているため少しの涼感がある。

たまにそよぐ風は緑の臭いがして、
自然の中にいる実感を与えてくれる。

この環境下での冷たいきしめんは相性抜群だ。


熱田神宮を出ると「あつた蓬莱軒」へ向かう。

ここは名古屋名物のひとつ、
ひつまぶしの最有名店。

名古屋に知識がない僕でも知っているほどの名店で、
その名のとおり熱田神宮の近くにある。

地図を見ながら訪れると、
そこは店というよりも広い一軒家。

入口から外の壁沿いにかけて、
かなり長い行列ができている。


ちょうど昼時。
スーツ姿の人もいれば観光客風の姿も見える。

20分ほど並ぶと民家のような店内の2階の部屋に通される。
さっそく「ひつまぶし」を注文する。


2,730円。

うなぎだから仕方がないが、
なかなかの値段だ。

しかし、実際にひつまぶしを見て納得した。
大きめの器にいっぱいに盛られ、かなり量が多い。

ひつまぶしは器から4回にわけて茶碗に移して食べる。

1回目は普通に、2回目は薬味を加えて、
3回目はお茶漬けにして、4回目はお好みで。


それゆえに量が多くなるということだろうか。

女性や小食の人は食べ切れないのではないかと思うが、
どうなのだろう。

だがまあ、これが美味しくないわけがない。

味に変化をつけるアイディアも秀逸で、
単調になりがちな味にアクセントが付く。


きしめん、ひつまぶしと連続して食べて、
すっかり満腹になり店を出る。

ここからは国道22号を北上していく。


名古屋の南玄関・金山駅を過ぎると、
もう完全に都会の街並み。

さらに北上していくと名古屋駅に到達する。


名古屋はさすがの大都市だ。

今回は自転車だからあまり関係ないが、
名古屋駅と栄には地下街が発達。

また名古屋市全域には地下鉄が6路線走っている。


単純な図式ではあるが、やはり地下鉄は大都市の証。

中心駅から地下鉄が走っているというのは相当なもので、
実際に関東でも東京と横浜にしかない。

名古屋の場合は地下鉄の名城線が環状線になっており、
最大の繁華街・栄も瑞穂運動場もナゴヤドームも名城も抑えている。


そういえば、名古屋民は「名古屋」を長く感じているのだろうか。

「名古屋駅」→「名駅」、「名古屋城」→「名城」と
微妙に略されていることが多い。

そしてそれがしっかりと駅名や地名にもなっている。

「名駅」も「名城」も逆に旅行者にとっては
分かりづらいのだが…。


名城は名駅の北東1.5kmほどのところ。
城内は平日の昼にもかかわらず人で賑わっている。

そもそも今名古屋は、
開府400周年に沸いている。

家康が九男・義直のために築城し、
尾張の中心が清洲城から名古屋城へと移転。

こうして徳川御三家筆頭の尾張藩ができたのが1610年。
2010年がまさに名古屋開府400周年なのだ。


名古屋城はさすがに広い。

自転車を置く都合上、同じ門に帰って来なければならないのだが、
一周して見て回ると相当遠いため、部分的に回ることにする。


名古屋城では、銅像が一番印象に残った。

地味だから仕方ないかもしれないが、
名古屋城に徳川義直の像はない。

代わりに加藤清正の像が2ヵ所にある。

加藤清正といえばもちろん熊本城で、
名古屋城のイメージはない。

どうやら築城で活躍したらしいが不思議なものだ


名古屋城を出るとビジネスホテルにチェックイン。
ひとまず夜まで休む。


夜ももちろん食。
やはり名古屋といえば食に名物が多い。

今回名古屋に来て食べたいと思っていたのは、
きしめん、ひつまぶし、味噌かつ、味噌煮込みうどんの4つ。

本来はここに手羽先や天むす、モーニングも入るが、
さすがにキリがない。

きしめんとひつまぶしは昼に食べたので、
次の目的は味噌煮込みうどんだ。


味噌煮込みうどんの名店は山本屋。

「山本屋総本家」と「山本屋本店」が
紛らわしく争っているのは有名だ。

僕は特にこだわりはない、というよりも
どちらがどうなのかよくわからない。

したがって今回は、
目についた「山本屋本店」の方に行くことにする。


名古屋駅地下街エスカの「山本屋本店」へ。

メニューを見ると、具材などが異なる
数種類の味噌煮込みうどんがある。

せっかくだからもうひとつ名古屋名物を入れた
「名古屋コーチン味噌煮込みうどん」を注文する。

2,205円。
名古屋は出費が嵩む。


味噌煮込みうどんは、その名の通りの味噌の濃い味と、
アルデンテのように芯を残したうどんが特徴。

食べてみると確かに硬く、
コシが強い讃岐うどんとはまた違う食感をしている。

これが味噌の濃い味付けとあう。


夏に冷房の効いた店内で
煮込みうどんを食べるというのも贅沢だ。

これが美味しくないわけがない。

今日1日でかなり名古屋を満喫。
すっかり満足してホテルに帰り眠る。

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2010年9月5日

豊橋駅(豊橋市)~名古屋駅(名古屋市)
走行距離:約74km(google map)

義元と家康
(豊橋市→豊川市→岡崎市→安城市→知立市→刈谷市→豊明市)
■名古屋めし
(名古屋市)

地図の詳細
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