真っ青な空に、淡いピンク色の桜が映えて見えました♪
今年は、残念ながらお花見に行っている時間もありませんが、至る所で満開に咲く桜を見かけ、心を洗われたような気持ちになりました。
桜の歌といったら、西行法師!以前にも、この歌については書いたことがありましたが・・・。
願わくば花の下にて春死なむ その如月の望月のころ
今年の大河ドラマ『平清盛』にも登場している、佐藤義清(のちの西行法師)の歌です。
清盛と同じ北面の武士でエリートだった義清でしたが、23歳の若さで出家し、その後も歌を詠み続けました。
西行法師が生涯に詠んだ歌は2090首余りで、そのうち桜の歌は230首余り詠まれたそうです。
旧暦の2月は如月。望月は15日。2月15日は、釈迦の命日です。
享年73歳だった西行法師は、2月16日に亡くなっているそうです。
桜を愛した西行法師は、自分で詠んだ歌のとおりに、自分が望んだ旅立ちが出来たのだと思います。
そして、今年この桜の歌を思い浮かべながら、私が想った人は・・・。
今年の1月にお亡くなりになった、日本画家の小泉淳作画伯でした。尊敬している平山郁夫画伯が亡くなった時くらい、小泉画伯が亡くなったことを知った時はショックを受けました。
今日まで、小泉淳作画伯が描いた東大寺本坊襖絵が一般公開されていました。私も、東大寺ではなかったけれど、以前拝見することができた「しだれ桜」。
心を奪われて、絵の前から動けなくなってしまったほど・・・忘れられない作品です。東大寺で拝見することに意味があると思うので、いつか東大寺で観てみたい作品です。
西行法師の願わくば・・・この歌を襖画のそばに立てかけ、この精神で襖を描き続けていたという小泉画伯。
一命をささげて画業に取り組んだ姿勢を想うと、満開に咲く綺麗な桜を見ていても、少し切ない気持ちになります。