愛情遮断症候群 | myu Music&Hobby

愛情遮断症候群

■愛情遮断症候群

「愛情遮断性小人症」「精神性・社会性小人症」ともいわれる。

母性的養育が剥奪されたことによって子どもの心身両面にさまざまな発育障害が生じるもの。

不適切な養育(ネグレクトあるいは情緒的虐待)とこれに基づく愛情(アタッチメント)の形成不全にある。

成長ホルモンの出が少なくなることもあり、身長が伸びなかったり等の身体発育遅延、筋緊張低下、表情の乏しさや精神発達が遅れたりなど出てくる症状は様々である。


原因となっている家庭環境から子どもを隔離して入院させたり、もしくは施設に入所させそこで安心感、安全感が持てる環境において愛着形成を図ることが基本。

予後は不適切な養育を受けていた期間によるが、乳幼児期であれば回復の可能性は高く、そうすることによって心身の発育が急速に進む。

虐待の事実は親からも子からも語られない為、周囲が察知しなければ子どもは救われないというところに、この問題の深刻さがある。

「よい母」であろうとするあまりの虐待や、自分自身が子どもの頃に親の愛情を受けられなかったための連鎖虐待など、虐待する親の側に精神的な問題が潜んでいる。

愛情ある取り扱いを受けると急に成長し始める。


身長の伸びと愛情には大きな関係があり、虐待など心理的な問題で低身長になってしまうことがあります。

その子なりに身長を十分伸ばすには心理的にゆったりできる環境が大切であることがわかります。



・ネグレクト 無視すること。ないがしろにすること

・アタッチメント 特定の人物に対する心理的な結びつき。多く、乳児が母親との接近を求める行動に現れるような、母子間の結びつきをいう。愛着。




● 症状

無関心・避難・破壊的行動など性格的な歪みが目立ち、表情を出さずにじっと相手を見つめる顔つきをみせることもあります。

精神発達の遅れ・栄養不良や低身長など心身両面に障害があらわれ、食事・排泄・睡眠などに異常行動を示すこともあります。


● 原因

幼児期に母性愛を得られなかった子供は、しばしば体・知能・性格などに障害をきたします。

母親の入院・死・離婚や母性愛が不十分などが主な原因ですが、父親などが代理者として十分な愛情を注いでやれば、防ぐことができます。


愛情遮断症候群とは、保護者から虐待を受けたり、愛情を確認できない状況に置かれ、極度のストレスを受けたことが大きく影響するといわれています。

そのため、ストレスから解放されると急速に成長し、再び強いストレスを受けると成長が止まるという現象が生じます。

発育を促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されるものですが、強いストレスを感じると睡眠が妨げられ、成長ホルモンが正常に分泌されなくなります。

さらに、愛情遮断症候群患者の多くは十分な栄養が与えられていないケースも多いので、そうした影響もあると考えられています。

愛情遮断症候群はこうした結果、身体的発育や知的発育に遅れが生じると考えられています。


● 治療

保護者の養育態度、家庭環境、育児状況などを把握し、適切な対応をとる必要があり、場合によっては子どもを保護者から遠ざけることを目的に、入院による治療が行われる場合があります。

同時に、保護者の心理療法も必要となります。

家庭に戻ってからは保健師や児童相談員などが家庭訪問を行って、子どもを支えることが重要とされています。