今日は『奇跡のりんご』の木村さんの講演会に参加してきました。


ほぼ1日、会場にいるような長丁場で、時々お尻が痛くなりましたが、それだけの価値は十分にある内容でした。


最初に講演されたのは野口のタネ・野口種苗研究所の野口勲さんです。


いわゆる日本のシードセーバーみたいな方で、日本の本来の植物の種子を未来に残すために、「固定種」を採取、集めたりして販売されています。


みなさん、いま私たちが普通にスーパーや八百屋さんで購入している野菜が、種を植えて実が成り、収穫すると、そのまま枯れて死んでしまう野菜なのをご存知でしたか?


普通の栽培するというイメージでは、枯れたら当然、種が取れると思いますよね。
実が出来る時点で受粉しているので、枯れたら実の中にある種子を取り出して、また植えるものだと思いませんか。


ところが、いま私たちが普通に買っている野菜は、かなりの種類が種が出来ず、一代で終わる野菜だ、というのです。
これを『F1種』といいます。


私は全く栽培経験も、農家の知り合いもいないので、そんな現実を全く知りませんでした。


このF1種に対し、従来の普通に育って、種を作る野菜を『固定種』と呼ぶそうです。


ではなぜF1種がここまで主流になったのか?


流通するにあたり、形が揃っていることが店頭販売するにあたり、とても重要だから、だそうです。
もちろん、味も渋みやえぐみが少なく、食べやすい必要はあります。


これに対し、固定種はまず形がふぞろいで、見た目が悪くなることが多く、スーパーなどで売れない、価値のない野菜として判断されてしまうのです。


しかし、日持ちがして痛みにくく、病気に対しての耐久性も固定種の方が優れています。


もちろん、味はF1種とは比べ物にならない美味しさがあるのは言うまでもありません。


私は、それ意外にもF1種には不気味さを感じます。

なぜならこのF1種は、もともと自然界ではミトコンドリア異常により発生したおしべのない品種を、さらに色々な方法で掛け合わせてその性質をより都合よく強めて、種を蒔いて収穫しても一代限りで枯れてしまうように、わざと作られた品種だからです。


このF1種は、おしべが出来ない=男性原因不妊と言えるのです。


これを植物ではなく、動物に置き換えて想像すると、生殖能力がない固体を、品質にばらつきがなく、売りやすいからどんどん品種改良(改悪?)して、市場がそれ主流になるということになるのですが、そもそももしこれが自然界なら、ミトコンドリア異常で繁殖能力がなければ当然、自然淘汰される個体なのです。


ということは、私たちが普段口にしている野菜(F1種)は、本来なら存在していない野菜、自然界の法則では主流にはなり得ない個体、というわけです。


そういった、人間にとって都合が良いからと、ちょっと歪んだ繁殖方法で作り出された自然界には本来存在しない野菜を毎日食べても、人間は大丈夫なのでしょうか?


野口さんは、このF1種があまりにも主流になり、純粋な固体種が日本から消滅することをとても危惧されて、その保存と普及に努めていらっしゃるそうです。

なので野口さんの販売する固体種は、袋裏に種子の採取方法まで記載したそうです。
普通だとそんなことをしたら逆に商売にならないと言われるところですが、野口さんにとって、固体種を保存し、継続して生き伸ばし続けることが目的なので、問題ないそうです。


また、これは野口さんの仮説、ということですが、アメリカで蜜蜂が大量死した事件も、このF1種が関係あるのではないか?ということです。


なぜなら雄のハチに生殖能力がなくなり、働きバチが女王バチとその雄バチたちを見捨て、突然巣に帰ってこなくなったからです。

ハチにはF1種も固定種も花粉の見分けはつきませんから、その花粉で育てられた雄バチに生殖能力がなくなった可能性は十分考えられるだろう、というわけです。


加えて、人間の男性の精子の異常減少も、ここ数年で非常に増加しています。

このミトコンドリア異常から生じる男性原因不妊を利用して開発されたF1種の野菜を、何年も食べ続けたら、当然、なんらかの異常が起こってもおかしくないとは思えませんか?


植物のミトコンドリアと人間や昆虫のミトコンドリアが共通のものかはわかりませんが、普通に考えて、自然界の流れから外れたものを好んで食べたい人はそう多くないですよね。


しかし、この事実は農家の人も知らないことが多いそうです。
種子販売カタログには、「より栽培しやすくなった」などの商品文句しか記載されず、例え一代限りの野菜でも、安定して出荷出来た方が農家にとっては遥かにメリットがあるので、そこまで追求する人が少ないのかもしれません。


でも私はやはり、これを知ったら固定種を食べたい、自分の子供や家族にはF1種を食べさせたくない、と思ってしまいます。


実際、F1種の開発者や関係者でも、自分や家族は必ず固定種のものしか食べない人が多いそうです。


夜は会場で販売していた固定種・完全自然栽培野菜を食べましたが、にんじんの香りと味の違いには本当にショックを受けました。

これが本当のにんじんなんだ、と驚いてしまったのです。


F1種が良いとか悪いではなく、自分が何を食べたいか?と改めて考えさせてもらえる良い1日になりました。


みなさんはどう思いますか?