■『Black Eclipse』第1部審査報告
『Black Eclipse』の1部審査終了報告です
2013/12/1(日)/St.アルディ
12時~16時
『Black Eclipse』
第1部キャスト候補選出審査が終わりましたのでご報告します
参加された皆様、ご苦労様でした
2ページに渡るセリフを全て行う審査の為、終了時間が1時間延びました
ですが、その成果は十分得られたと考えています
《脚本/演出目線での感想》
今回作品『ブラック・エクリプス』の基本テーマは、重く・暗く・陰湿です
皆さんのイメージ力(映像化能力)が試されたのは
男性:ロネリ
女性:キャロイ/ヌティア
のセリフでした。
※審査台本は【dropbox】にあります。
ここで求めたのは、苦悩や恐怖をセリフごとに変える感情表現
今回多くは、それを「痛み」または「苦しみ」という1つの表現手段でのみ行っていました
苦悩や恐怖…
それは「痛み」や「苦しみ」という単体表現ではリアルになりません
人の感情は時間と共に動きます
一つ一つの言葉それぞれに、どれだけ違う感情が乗せられるか/動くかということです
『零厳城』ではセリフと共に人が動くという点で難しいとされました
今回の『ブラック・エクリプス』は、セリフと共に人の心が移り変わるという点が難しいと考えています
【ロネリ】
ポイントは「…」です
これを境に違う表現が必要です
また台本から抜き取った物ですから、セリフ毎に違う感情でなければなりません
痛みをベースにして
痛み~苦痛~恐れ~苦悩~悩み
これが一つの表現方法でしょうか
【キャロイ】
このキャラは台本(3)ヌティアのセリフにあるようにロネリの部下です
尊敬し、想いをも寄せたロネリの裏切り、苦しみ、
それ故の加減の無い残酷さや怒り
そのコントロールが出来ない心の幼さ。
最後のセリフは、コントロール不能だからこそ、弱さがにじみ出ても良い訴えです
今回は皆さんの表現を縛らない為に年齢を設定しませんでしたが、20歳前後位で考えるとやり易かったかも知れません
【ヌティア】
審査台本だけでも、または執筆中台本を見れば明白ですが、ヌティアは目が見えません
だからこそ、恐怖は通常以上です
見えないから全て何かをされてからの反応で、言葉毎に様々な表現の違いが必要です
暗闇の中での不安、想像が及ばない仕打ち、諦めにも似た拒絶
目が見えるという起点では叶わないキャラでしょう
どのキャラについても「苦しさ」「痛さ」「辛さ」、ヌティアについては「恐れ」も加えて、「恐怖」を構成する様々な要素が分割して有ったかを見ました
特に「辛さ」という表現は殆ど受け取れませんでした
今回は当日台本渡しだから、そこまで出来なかったというのもあるでしょう
それでも過去に「経験(疑似体験/視聴)」が何かあれば出せるものです
但し、その時に客観的に観察していたかで大きく違うでしょう
是非「人の感情」と言う身体の内側、生々しくて時間と共に変化する異形の物を捕えて、形(表現)にして欲しいと思います。
それが「生物が生きている」「人が動いている」事だと思います。
【その他のキャラ】
上記以外のキャラでは、皆さんにどれほどの可能性があるのかを見ました。
例えば年配のキャラが得意という人は、オーディションであっても高校生や小学生役は選択しないでしょう。
だから、自身でも演じられる幅が狭いと思っているのではないでしょうか。
なので、今回の審査では全ての年齢幅/多様なキャラを全て演じてもらいました。
結果として見られたケースは、年配キャラが得意と言う人も小学生の演技を意識してやれば、高校生くらいの表現に届くと言う事です。
何でも意識して(突き抜けて)やる事、それを録音して自分で冷静に分析するか、誰かに聴いて貰う事が新しい発見に繋がります。
それが自分の表現の導き出し方を知る事になります。
敬遠せず、除外せず、意識して挑戦して欲しいと思いました。