10年目の願い | HERO

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私の尊敬するMichael Jackson、Audrey Hepburn、イチロー選手、中田英寿氏について熱~く綴っていきます。

MLBは今日の試合で前半戦終了となり、今シーズンの折り返し地点となりました。
 マリナーズの前半戦成績は35勝53敗、借金が19、ア・リーグ西地区首位のテキサス・レンジャーズとの差は15ゲーム。。。むぅ。。

 一昨日には今年の大型補強だったはずの戦力、昨シーズンサイヤング賞獲得のクリフ・リー投手を放出して若手5人をトレードしたりと、戦力補強に瞑想中のマリナーズ。前半戦の3ヵ月半でリー投手にバーンズ選手にグリフィー選手と、好きな選手がどんどんと球団を去っていくのがとても寂しい。。シビアな世界ですよね。

 そんな前半戦を振り返ったイチロー選手の最新インタビューが先日NHKで放送されましたので、記事にします♪

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『イチロー10年目の願い』
      


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(ナレーション)
  メジャー10年目のイチロー
  開幕前チームに例年にない大きな期待を抱いていました
  理由は、チームが行った大型補強です
  サイヤング賞投手のクリフ・リー、そしてイチローと1、2番コンビを組むショーン・フィギンズ
  マリナーズの躍進を予感させる戦力が揃いました


51『いいチームっていうのは、やっぱりいい人間が集まっているチームでしか達成されないんではないか、という風に思っていて、少なくとも(今のマリナーズは)いいチームになる可能性が凄く高いという風に感じています。』


  シーズン開幕からイチローは飛ばします
  例年はスロースターターのイチロー、『4月はまだ準備期間』と語ってきました
  しかし、今シーズンは初めからヒットを量産
  去年大記録を達成した事から心境に大きな変化があったのです


51『今のところ数字に追われているという感覚が全くなくて、その意味では随分違いますよね。少なくともここまでは、今までのような圧力というかプレッシャーは僕は感じていないですね。』


  記録のプレッシャーから開放されたイチロー
  より積極的なバッティングとなっていきます
  たとえボール球でも躊躇なくスイング
  凡退を恐れず、積極的にチャンスをつかみにいったのです
  難しいボールを打つ事にはもうひとつの狙いがありました

  6月12日のパドレス戦、2球で2ストライクと追い込まれます
  キャッチャーがここで要求したのはアウトコース低めの“釣り球”
  ところが、それをレフト前へ運びます



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  バッテリーにとって狙い通りの釣り球、それを見事にヒットにしたイチロー
  ピッチャーは平静さを失いました


51『よほど嫌だったんだなと・・・。ピッチャー、キャッチャーもそうですけど、その心理にとっていわゆる失投と言われる球ですよね。自分がそこに投げるはずではなかった球をヒットにされる、それほど大きなダメージはないんですよね。ただ自分たちが組み立てどおりにした球、もしくは組み立て以上の球がいったケースでヒットにされると、相手はパニックになるんですよね。どこに投げていいかわからない状態に陥るんで。その状態をつくりたいという風に思っています。』


  難しい球をヒットにして相手にダメージを与える
  そしてチームを有利な立場に導こうというイチローならではのバッティングです

  しかしイチローの思いとは裏腹にマリナーズの成績は伸び悩みます
  チーム打率はリーグワースト2位、得点とホームランの数はリーグ最下位
  イチローが出塁しても打線がホームに迎い入れることができません
  投手陣も持ちこたえられず崩れました
  サヨナラ負けの数は既に9回 チームは首位から10ゲーム以上離され最下位に低迷
  イチローの期待は裏切られました
 

51『まぁ、あまりにもそれぞれのパフォーマンスが発揮されていない、結果が出る状態ではないんですよね。う~ん・・・。だからこう、リスクっていうのは考えていましたけど、まさかこっちの方に動くとは思わなかったという状態ですよね今は。正直な気持ちね。』


  厳しいチーム状況の中 イチローは全力プレーを続けます
  これまで見せたことのない頭からのダイビングキャッチ 身体を張ってピンチを救います 
  5点をリードされた試合終盤、(1塁から2塁へのスチールをして)勝負が消したと思われる場面でも味方を奮い立たせます


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  “常に万全の準備をして持てる力を出し切る” チームメイトにイチローが発するメッセージでした 


51『結局何かを感じようとする人がどれくらいいるか。チームって何かを感じようとする人が多ければ多いほど、前に進んでいくと思うんですよね。そういう意味で言うと、この苦しい時にそういうね、何かを感じようとする選手がどれくらいいるかっていうのが、実はそのチームのこれから先の光だったりするという風に僕は思っていますけどね。』


  6月中旬、チームを立て直すためのミーティングが開かれました
  その席で一人の選手がこう発言したといいます

  『イチローがやることをもっと見習うべきだ。彼の試合に向けた準備や戦う姿勢は素晴らしい』

  2番のフィギンズもイチローに共感した一人です
  バッティングの不調に悩むフィギンズは調子を取り戻すためイチローと何度も話し合いました
 


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ショーン・フィギンズ選手
 『イチローは自らのプレーでメッセージを伝え、チームを引っ張る選手です。彼の誠実な姿勢を理解できない人に、野球を語る資格はありません。僕らはチームメイトとしてイチローを尊重するべきだと思います。』



51『僕とフィギンズが機能すれば間違いなく相手に与える影響が大きいんですよね。得点できるできないということだけではなくて、僕らがいることによる心理ですよね、相手の追い詰められる心理が必ず生まれるんで、それはチームとしてはプラスに働きますから、そういうことが多くなればいいですよね。うん。』


  6月下旬、チームに明るい兆しが見え始めます
  フィギンズの調子が上向いてきたのです
  プレーにイチローのような積極性が出始め、それが好結果へと結びついていきました
  期待されていた1,2番コンビの機動力が徐々に機能し始めました
  それにあわせてチーム全体の活性化 選手たちは最後まで試合を諦めない勝負強さを見せます
  投打が噛み合って、マリナーズは6連勝を飾りました
  チームが真の実力を発揮する日を信じて イチローは後半戦に挑みます
 

51『いい人間は集まった、でも今の状態がいいチームといえない。いい人間が集まっていいチームになる、さらに強いチームになるっていう段階を踏んでいかなきゃならないと思っています。信じたいですよね。疑わないというとこまではなかなか言い切れないですけど、信じていたいと思います。』

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