マイケルが外科用マスクをしている姿がよくありました。その姿が『Jacko、wacko(奇人変人)』呼ばわれされた、ひとつの理由かもしれません。
ではなぜマスクを付けていたのか、それを知ることができる一文をご紹介します。
『人々が僕のことを、観察したいっていうのは、わからなくはないのですが、四六時中となると話は別です。どうして人前ではいつもサングラスをかけているんですかって聞かれたら、常にその場にいる人の目を見ていなくてはならないのが嫌だからです、と答えます。そんな風にして、少しでも自分を隠すわけです。』
『親知らずを抜いた後、歯医者さんが家に帰るまではばい菌が入らないようにと、外科用マスクをくれたことがありました。そのマスクはとても気に入ってしまいました。最高でしたね。サングラスよりも断然、いいのです。しばらくの間、楽しくてそのマスクをしたまま、ぶらぶらしていました。僕にはほんのちっぽけなプライバシーしかないわけですから、少しでも自分を隠すことによってすべてから逃れて、ささやかな休息が得られるのです。奇妙な考え方だと思われるかもしれないのは分かっています。でも、やはり僕にとっては自分のプライバシーが大事なのです。』 (moonwalkより)
私有地を出れば常に注目を浴びてしまうマイケルにとって、プライバシーを保てる時間は殆ど無かったのでしょう。
だから表情を隠すことによって、少しでも自分自身のプライバシーを守ろうとしていたんですね。
日本では花粉症やインフルエンザなどが流行するとマスクをする習慣がありますが、アメリカなどではマスクをすることが全くと言っていいほど無いそうです。だから余計にマスクにサングラスに帽子姿のマイケルに対して違和感を感じたんでしょうね。
確かにこの格好だと、誰だかわからないし、怪しくさえ映ります。
けれどこれは、表情を隠すだけでなく、尋常性白斑及び全身性エリテマトーデスの大敵である紫外線から肌を守るための防護策だったのです。それと、パパラッチに対する怒りもあったのかな?
マイケルの病気や気持ちを知れば、怪しく見えるこの姿だって理解できるんですよね。
マスクやサングラスを外せば、とてもナチュラルで穏やかな表情のマイケル。
普通に暮らせて、誰の注目を浴びることなく外出ができる生活って、とても幸せなことなんですよね。