これは暮らしてみて、また大学院でオーストラリア人の教員やクラスメートから話を聞いてわかったことですが、オーストラリア、少なくともニューサウスウェルス州では、社会経済面での地域格差が如実に存在するということ。


例えば、シドニーでもある地域は、社会経済レベルの低い人が暮らしているエリア、ある地域は逆に社会経済レベルの高い人が暮らしているエリアなど、現地の人なら誰もが知っている事実(あるいはレッテル)があります。

あまり具体的な地名を挙げたくないのですが、いささか大ざっぱなくくりですが、Western Sydneyは前者、Eastern Sydenyは後者になると思います。


もっというと、一つのシティの中でも、この地域は社会経済レベルの低い人が多く住むエリアとそうでないエリアをジャッジできてしまいます。


ワーキングホリデーや旅行での短期滞在ならばさほど問題はないと思いますが、もし長く住むとして、小学生の子どもがいるのような場合は地名は少し気にした方がいいかもしれない、と個人的には思います。


というのは、公立の小学校には大抵地域の名前がついているのですが、その州で教職についている人であれば、その小学校の名前(地名)を聞いただけで、生徒たちの持つ社会経済的背景をある程度特定できてしまうというのです。


それに、社会経済レベルの低い地域の小学校は往々にして素行が悪い生徒が多いだとか、成績にも問題のある生徒が多いと言われています。

その地域に赴任したことのある教師が実体験として語っていたのでまんざら嘘ではないかもしれません。


親の社会的地位や経済状況、学歴などが子どもに及ぼす影響がとても大きいと考えられているからです。


これは教職についている人に限らず、一般的なレッテルのようで、例えば、もしも私が社会経済レベルの低いエリアの小学校で働くことになったとしたら、きっとオーストラリア人の友達から、「“難しい”学校で働くことになったのね」と言われると思います。


社会経済レベルの低いとされる地域の中には、明らかに犯罪の多いエリアなどもあります。

例えば、そういう地域の隣町だから、そういう地域の近くだから、という理由で、近隣地域の地価や不動産価値が他の地域に比べて低い、という話もよく聞きます。


犯罪が絡んでくると、短期滞在者も注意が必要です。

現に今私が住んでいるシティの中にも、一般に社会経済レベルの低い人が多く住むと言われている地域では、犯罪率が高く、留学生も路上でののしられたり、金品を奪われるようなことが度々発生しています。


そういうことを知らずにその地に住みついた留学生は、嫌な経験をしていたりすることが多く、往々にしてオージーに対してあまり良い印象を持てないようです。

残念ですが。


ちなみに社会経済レベルは、politically correct(差別的でない、公正さを期した)表現として使われるsocioeconomicを和訳したものなので、つまるところ、貧富の差異、社会地位の差異を表します。



Coco