つれづれに・・・
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もう、とうの昔に忘れていたと思っていた

胸が痛くなるほど、人を愛しいと思う気持ちなど


毎日の喧騒の中

目先の「やるべきこと」に紛れて

あなたを、何を捨てても守ろうと誓った日の事など

忘れたかのような錯覚に、鈍く浸っていた


突然それはよみがえった

ほんの何気ないあなたの一言で


それは、深い淵の底に垂らされた

一本の蜘蛛の糸のように美しく光り

私の目前ではかなげに揺れていた


しかし私は、今しっかとその糸をつかみ

静かに、その導きのままにぬかるみの地を離れようとしている

懐かしい涙と、深い自責の思いと共に


あなたは、その声で私を

永い眠りから覚まし、呼び戻してくれた

何と美しい声であったろう

私に信仰があるとすれば

それはあなたへの、変わらぬ愛の力のみによって息づく


私は母であった


あなたを、世界のどこまでも愛し続ける

それが私を力強く励まし、生かしてくれる


もう忘れまい

この先何が起ころうとも

私は、母なのだ


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