おねだりバンドマン合鍵を手に入れる♥ | モラハラV系バンドマンに飼われてみた
想像以上に高い引っ越し代が腑に落ちなかったけど、きっと業者選びを間違ったんだろうなと思ってyyyyの言うことを信じていた私。
いや、結局のところ廃品回収の明細はわからず終いだったけど。
経費にするから領収書が欲しかったわ。笑

その日の午後。
「イス届いたよ」
yyyyにLINEしたら30分後に電話がかかってくる。

あさって車で仕事場に行きたいから朝寄るねって話だった。
「車貸して」
そして
「家の鍵ちょうだい」
と。

そう確かスタジオが吉祥寺だから、私の家からだと車で行った方が近いねって話をしてたんだ。
あさってはスタジオじゃないみたいだけど、仕事場に車で行って、夕方には帰るって話だった。
私はあさって夕方から出かける予定が入ってたので、入れ違いになったら家に入れないから、じゃあ鍵ちょうだいって話になったんだよね。
yyyyに鍵を渡すのはちゃんと住むようになってからと思ってたんだけど、戻ってくるんじゃ渡しておかなくちゃねと妙に納得してしまった私。

その日は友人が仕事を手伝いに来ていて、夕食にハンバーグを作ってくれた。
和風豆腐ハンバーグ。





ダイエットのyyyyにちょうどいいじゃん!って思ってレシピを聞いておいたんだけど、作ってあげる機会はなかったな。
いつものようにyyyyに写メ。
「やばば!!食べたい♡」

「まぁ俺はmuuご飯が好きだけどね♡」
きゅん♡♡♡

翌日は注文していたテレビが届いてyyyyに報告。
「テレビ来た♡」
「おおおおお!!!!!!メイク打合せなう」

それっきり連絡はなく。
夜になって
「明日10:30頃には行けると思う!」
ってやりとりのみ。

明日会える♡とか思って、引っ越しから急激にLINEが減っていることを気にも留めていなかった。
というか、一緒に住んだらLINEする必要もなくなるのかなって。
まさかあんな状況になるとは思ってなかったからね。
そう、あのおかしな状況に…。

翌朝、
「駅ついた!!」
「おはよ。早いね」
「muu―!!起きろーー!!」

このとき私は軽くメイクしてうつらうつら。
引っ越し3日間だって、ちゃんとナチュラルメイクしてたんだから。
いや、これから一緒に住むんだけど、慣れるまでに時間が必要なわけで。

だって今まで11回しか会ったことないんだよ?
そのうち3日間は引っ越しの数時間。
ふたりっきりで会ったのはたったの6回。

本当はお洒落して綺麗な格好で会いたいのに部屋着ばっかりで。
yyyyも家に来るとすぐ着替えちゃうから、Tシャツやトレーナーにスウェット姿しか見てない。
たまにはお洒落して外でデートしたいなぁ♡なんて。

「んー。起きてる」
「そうなの?!早いじゃないか。お蕎麦たべよ」
蕎麦??
朝から??
食べるの??

「はい。蕎麦ゆでて♥ねむ」
「今、コーヒー飲んでる」

yyyyは家にやってきてすぐ俺は蕎麦を1袋食べるという。
炭水化物抜きダイエットとやらをしている(つもりの)yyyyは低GI食品ならいくら食べても太らないと思っているらしい。
「ダイエットじゃないの?いくら低GI食品でもたくさん食べたら痩せないよ?」
と言っても
「お蕎麦は大丈夫!太らないから!」
と言い張る。笑

茹でてあげた山盛りの蕎麦を平らげて、ゆっくりできないんだと仕事に向かうyyyy。

昨日ずっと探してやっと見つけた家のスペアキーを渡す。
母が使っていた鍵。
鈴が付いてたけど、紐がボロボロで外せなくてハサミで切ってあげた。
yyyyは外した鈴をちゃんと取っておいた方がいいよって言ってくれた。
相変わらず優しいな♡なんて思ったり。

それと車のスペアキーも。

それから
「お金ないから今引っ越し代もらってもいい?」
と。

「代引きのお金もらってないから差し引いていい?」
と聞いたら、
「うん。いいよ」
って言うから、7万から2万差し引いて5万円を渡す。
本当はスピーカーと椅子の代金の合計は2万数千円だったけど、そこは負けてあげた。
でも本人は既にいくらだったか覚えていない様子。
というか、「いいよ」っておかしくない?
あれ?もしかしてだけど払う気なかった?笑

そして意気揚々と私の車に乗り込んで、思いっきりエンジンを吹かして走り去っていった。
yyyyの運転する車を見送りながら、マフラーから白煙が出ているのに気づく私。
「あれ?おかしいな?大丈夫かな?」
と思ったんだよな。

嫌な予感は当たるというか、この後、恋する盲目な私を一瞬我に返らせた彼の言動ランキング第2位の車事件が起きることになる。笑

この日のまとめ。
朝やってきて、蕎麦を食べて、家の鍵と車と金を手に入れ去っていった売れないバンドマン。
ってことでOK?