▼お芝居をしていて、台詞がどうも伝わらない…お客様にも相手役にもということはまま、あることだと思います。

 

▼どんな自分が好きな役や物語であっても、やっぱりこういうことは起こりえる事ではないでしょうか。

 

▼何故、伝わらないのか。それは”伝える意志”がない時に起こるのではないでしょうか。

 

▼お芝居からちょっと離れて…例えば英語でもフランス語でも…日本語が喋ることができない外国人の人に道を尋ねられたら…知っている言葉を総動員するでしょうし、言葉以外にも、なんとか相手にわかってもらおうと色々な事を試すはずし、少し外国語が喋れても、母国語ではない言語を喋る時には、やはり考え考え喋る事が多いと思います。相手に伝わるように。

 

▼日本語だからと言って、相手に伝える手段であることには変わりありません。

 

▼母国語になると…どうしても「伝えよう」という考えが薄くなりがちです。「言ったからわかったでしょ?」とぼくも考えてしまいます。

 

▼しかし、自分の発した言葉というのは、自分の状態・相手の状態によって、伝わり方は様々です。相手が欲しい情報でなければ、自分の言葉というのはなかなか相手に伝わりづらいのも事実です。

 

 

▼言葉・単語には辞書に載っている意味の他に、その言葉がもつイメージだったり、感情だったりがあります。それは生活だったり、育ちといった環境の中で培われるのかもしれません。

 

▼そうした言葉の組み合わせが台本という一つの物語になった時に、どの台詞も”意味”の他に”イメージ”だったり、”感情”が含まれているのです。こうした事を見つけることもサブテキストを探す、と言った行為であります。

 

▼閑話休題。相手に伝わるように台詞を喋る。お客様に伝わるように台詞を喋る。これにはまず、台詞の内容をよく理解して、意味を理解し、その言葉が持つイメージを理解し、そして、初めて聞く人にもわかるように喋る技術、そして仕草や視線、表情が必要になってくるとぼくは考えています。