モーツァルトの隠れた名曲(その8) | めじの音楽日記

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クラシック音楽のコンサートの感想などを綴っています。

筆者はクラシック愛好歴40年、年間数十回はコンサートを聴いています。

今回は、キリエ ニ短調 K.341を紹介します。

「キリエ」と言えば、ミサ曲の一部になるべきものですが、
K.341は、キリエだけが残されています。

この曲については、作曲の経緯が、あまりよく分かっていません。
作曲時期も、1787年から1791年の間、という大雑把な推定しかされていません。

1791年であれば、モーツァルトの死の年ですから、
死の床でも作曲を続けたという、あのレクイエムと同じ時期に作曲された可能性もあるのです。

確かに、ニ短調という、レクイエムと同じ悲劇的な調が選ばれていますし、
曲想そのものが、大変味わいの深い熟成された音楽になっています。

この曲は、編成面でも、大きな特徴があります。
管楽器がフル編成なのです。

フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2です。

有名なハ短調ミサK.427には、クラリネットがいませんし、
レクイエムには、フルートもオーボエも使われていないことと比較してみてください。

モーツァルトの曲の管楽器編成としては、極めて異例なのですが、
この編成のおかげで、極めて分厚い響きが作られており、

まるでベートーヴェンかブラームスの曲を先取りしているかのようです。

筆者は、むしろ絶筆となったレクイエムすら上回る傑作ではないかと思っています。

オススメの演奏は、シルヴァン・カンブルラン指揮の南西ドイツ放送響のものです。

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では、また。
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