緊急採血の後
抗生剤メロペン投入になりました。
おかげさまで今朝は36℃台に復帰。
おかげで元気ですが、
食欲はさらに落ちてしまいました。
今日は一食も完食できませんでした。
まあ、久しぶりに主治医の先生とU看護師さんとも会えて
ちょっとほっとしました。
今日も妻と娘2が来てくれました。娘2は宇宙兄弟の
22,23巻をお土産に持ってきてくれました。
前の話を忘れたところもありますがおもしろかったです。
さて久々の普通の採血結果
白血球 3300 (-270)
ヘモグロビン 8.3 (-1.1)
血小板 70000 (+38000)
好中球 1170 (+230)
肝臓のデータはいくらかよくなりましたがほぼ横ばいです。
CRPが3.0あってこれが微熱の元だと思うのですが、
肺炎の兆候もなく原因不明です。
今週金曜日に本当に退院できるの?
さて、連載はいよいよ剛の謎が解けます。
【三題噺編7(お題:お風呂、鉛筆、謎解き)「絆の痛み」の15】
「俺は剛が誰かと会っていたと思っている。
お前が『言えねえ』っていうときは誰かと約束した時だ。」
剛は下を向いていた。啓介は続けた。
「そして誰と会ったか考えてみた。それは剛が知っている人のはずだ。
そうでなければ呼ばれて、すぐについていくわけがない。
そんな人は一人しかいない。それはお前の姉ちゃんだ!」
剛はびくっとして顔を上げそうになったが、すぐ下を向いた。
剛の姉の澄佳は啓介達より2歳年上だった。
小学校の頃は可愛い顔立ちの優しいお姉さんで、啓介も可愛がってもらった。
しかし、中学に入り、勉強ができないことを馬鹿にされ、
親からも先生からもせめられ、きれた。
丁度悪いグループがその頃の3年生を中心にしてできており
澄佳はその仲間に入ってしまった。
喫煙、器物破損、暴力、怠学、万引き・盗み、恐喝…
仲間がやることにいちいち参加して、そのたび指導を受けた。
3年になる頃には、教師も簡単に指導できないくらいの迫力を身につけた。
親ともしょっちゅうぶつかり、家出は日常茶飯事だった。
そして卒業。出席日数はだいぶ足りていなかったが、
中学校としても置いておくわけにいかず、卒業を認めた。
澄佳はそれでも卒業式だけは服装を整え、きちんとした態度で参加した。
しかし、その夜先輩達に呼びだされ、乱闘を起こした。
家族で卒業祝いをやろうと、待っていた父親は
ぼろぼろになって帰ってきた娘に
「出て行けー!!」と叫んだ。
澄佳は父親の顔をじっとにらんでから黙って走り去った。
剛と母親が必死に探したが見つからず、
また帰ってくるのではと思いながらも心配で、
3日後に警察に捜索願を出した。
それきり、澄佳は帰ってこなかった。2年前の今頃である。
(続く)