事前にわかっていたので久しぶりに朝生を(それも通して)見た。ついでに田原総一朗の公式サイトも今初めて行ってみたが、どちらも改めて教唆を受ける程の内容ではなく、収穫も無ければまして感慨などは皆無だった。番組に出演した全17名のパネリストのうち、SEALDsからも代表二名が参加していたが、彼らからも特に評価~肯首出来る程の発言は聞けなかった。
 私は彼等SEALDsに期待する者の一人ではあるが昨日感じたのは「あ、この人達はやっぱり普通の学生さんなんだな♪」という感想だけである。要は他人の発言に依拠していたのでは駄目なのである。無論自民党や安倍ポン擁護の発言には反吐が出たが、しかしそれは民主党も同様である。私が嫌いな共産党は、呼ばれなかったのか喚ばれても固辞したのか不明だったが出席しなかった。どうでもいいが田原の説明に拠れば《在特会》等二三のファシスト・右翼団体は番組サイドからの出演依頼を(出れば叩かれるからと言って)拒否したらしい。
 
 ☆故・吉本隆明(⇦吉本ばななの父親)は主著『言語にとって美とは何か』の中で、「《海》を初めて見た原始人が開口一番《う!》と発声した」との例示を上げて自称言語学者らからはボロクソに叩かれたが、こんな例題など実はどうでもいい、可も不可もない呑気な例題に過ぎない。
 旧約聖書にあるように「人類は思い上がっているから互いに言葉が通じないようにしてしまおう!」と世界各国の諸言語に分割細分化してしまった神の所業がまずは第一の問題である。
 それ以降「言葉が言葉を生み、新しく生まれた言葉が更に新しい言葉を産む」という連鎖が人類史上絶たれた試しはないのである。最近の自然科学の研究に拠れば鳥獣類にもれっきとした言語が存在するということであるが、となれば我々は人類史発祥以前から延々と《解釈を解釈するのに忙しい時代》を生き延びているわけである。自称評論家は掃いて捨てるほど世間に充満しているが、頼まれもしないのに彼等をああだこうだと論評するこの私自身も、遺憾ながら《ゴミ溜め行きが相応しい老廃物》に過ぎないのだろうか。

 ☆で、番組中私が一番面白かったのは小林よしりんの幾つかの発言である。彼の持論は「改憲して自衛隊を国軍化すべきだ」というものであり、「(警察予備隊などというふざけた名称で出生した軍隊即ち=)自衛隊はそもそも違憲である」と考える私も「そんなに軍隊を持ちたいのならまずは改憲だろう」と言いたい方である。
 アメリカの保守リベラリストたるケント・ギルバート(⇦職業は国際派弁護士)の「憲法第九条は憲法違反だ」との発言を彼は笑って絶讃?肯定した。護憲派諸氏はそもそも現行憲法が明治欽定憲法の改正として出生した妥協の産物であり、例えば冒頭の天皇条項をしてからが旧支配層がGHQに懇願して存続された条文であることを意図的にスポイルしているのである。
 憲法の各条文は「あれはいいけどこれは無視する」といった御都合主義で取捨されるべきではない。あれが駄目だと言うなら是も駄目なのである。「全てを非理知的に蒙昧化する」のが左右を問わぬ日本人の得意技であることは私がいつも指摘している通りである。

 ☆SEALEDsというのは「学生の緊急行動」の英文の頭文字を繋げた造語であり、「組織ではない」と彼らは言うのだが、私に言わせればこれは歴とした組織である。ただ組織としては「出入り自由、遊び感覚OKのルーズ極まりない運動体」であるから、従来型の《上意下達の上から目線で幹部が動員を掛ける既に破産した組織》と一緒にされたくないから、彼らは「自分たちは組織ではない」と言っているのである。

 ☆他にも:アメリカの民主主義とは何か。とか、イラク戦争は何だったのか。とか、或いは西欧で起きた『連帯』の抗議行動、『ベルリンの壁』の破壊行動、″4 dead in Ohio.″(⇦by  CSN&Y♪)とか、60年安保闘争、70年安保闘争のデモと今回の国会デモとの違い等々、言及したい話題は尽きないが、それはまたの機会に譲る。👙😱👎🙌🐳🚀🐾👽💱。
 「下から」と思わず言ってしまった自称専門家などは是もゴミ溜め行きだ。
 解釈を解釈するのに忙しいのが民主主義か?
 言葉が別の言葉を引き出すから結果「意味無意味意味不明」がごった返すわけか?