火之御子社は天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀り、
天岩戸伝説の中では、
天照大神の隠れた岩戸の前で
神楽を舞ったと伝えられる女神とされています。
やさしい清々しい気が流れており、
ここでは、祝詞の奏上と観音経で勤行させていただきました。
勤行を終えると心地の良い風が吹いて来ました。
天鈿女命様からの風に乗せたメッセージだったのかも知れません。
この場所は、戸隠五社の中で一番素朴な社殿ではありますが
心地よい場所で、ついつい長居してしまうような場所でもあります。
中社は天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)祀り、
戸隠信仰の中心地となっています。
やはり、中心地だけあって観光客や参詣の人達で賑わっています。
本格的な紅葉シーズンはこれからなので、さらに人出が多くなるのでしょう。
中社の社殿の右側には瀧を整備し、瀬織津姫を祀っています。
以前の、私の記憶では、
公には祀っていなかったように記憶していますが、
縄文の女神、清らかな水の女神が
岩戸を開くように、様々な封印が解かれたのでしょう。
このように古の神が堂々と祀られるようになったことは
素晴らしいことだと思います。
ここでも、祝詞の奏上と観音経で勤行させていただきました。
奥社は天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)を祀り、
九頭龍社は九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)を祀っています。
今回の奥社と九頭龍社へは鏡池から入ることにした。
随神門までは途中の天命稲荷を経て気持ちのいい散策コースを
歩きました。
ただ最近、熊野出没が多い様子で、大きな熊野糞が何か所かに見られており、
熊に出会ってもお互いに不幸なので、錫杖を鳴らしながら歩くことにしました。
しばらく歩くと随神門の脇に出てきます。
このコースは、戸隠高原の動植物や湿地の雰囲気を味わうのに良いコースだと思います。
途中、リスなどと出会いましたが、人をあまり警戒していない様子です。
随神門は明治以前、仁王門だったと思っています。
また、その周りに神仏習合時代の名残が沢山残っています。
九頭龍社と奥社では、
それぞれ祝詞の奏上と観音経で勤行させていただきました。
また、九頭龍社は、
今回の目的のでもある九頭龍瓣財天が祀られていた場所でもあり、
九頭龍瓣財天は九頭龍大神(九頭龍大権現)の御前立として祀られていました。
九頭龍大権現の本地仏は大瓣財天となっています。
※白山信仰などは十一面観世音
この九頭龍瓣財天は
奈良県天川村の天河大瓣財天社の日輪瓣財天と
同体と云うことです。
戸隠の変化は奥社の横に在る社にも見ることができます。
以前は神道関係の以外のものは表には無かったと記憶していますが、
飯縄権現の木版や観音菩薩などが置かれていました。
これも、時代の流れなのでしょう。
神仏習合、私はその響きがとっても好きです。
神と仏が出会った国、それが日本なのでしょう。
飯縄権現と九頭龍辨財天の旅 其の四に続く